2014 Fiscal Year Annual Research Report
仏教用語の現代基準訳語集および定義的用例集(バウッダコーシャ)の構築
Project/Area Number |
23222001
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
斉藤 明 東京大学, 人文社会系研究科, 教授 (80170489)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
榎本 文雄 大阪大学, 文学研究科, 教授 (70151991)
室寺 義仁 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (00190942)
佐久間 秀範 筑波大学, 人文社会科学研究科(系), 教授 (90225839)
宮崎 泉 京都大学, 文学研究科, 准教授 (40314166)
岩田 孝 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (80176552)
桜井 宗信 東北大学, 文学研究科, 教授 (30292171)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 印度哲学 / 仏教学 / 仏教用語 / 基準訳語集 / バウッダコーシャ / 定義的用例集 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、5月24日に第59回ICES(東方学会主催、於日本教育会館)にて、「仏典翻訳論考ー「すぐれた翻訳」をめぐってー」と題してシンポジウムを開催した。7月25日には研究会を開き、3年間の活動の検証、研究進捗状況報告書の提出報告、研究発表(斉藤明「『中論』におけるprapanca解釈をめぐって」)を行った。11月16日に、第2回公開シンポジウム「仏教用語の今昔ー翻訳はいかにして可能かー」を開催し(於東京大学仏教青年会ホール)、本プロジェクトの成果を公表するとともに、3つの個別の研究発表とともに、「prajna/pannaの訳語をめぐって」と題する特別シンポジウムを設置し、有意義な意見・情報交換を行った。2月28日(土)には、年度末の研究会を開催し、各研究班における本年度の研究成果を発表するとともに、最終27年度の活動計画に関する調整と意見交換を行った。なお、斉藤研究班(東京大学)では本年度、毎週の研究会においてバウッダコーシャ(とくに「説一切有部の五位七十五法」)の英語版の作成・公開に向けた取り組みを継続して行った。一方また榎本研究班(大阪大学)では、昨年度末に紙媒体で公刊した成果の電子版による公開に向け、種々の懸案の解決に取り組んだ。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
仏教思想を的確に理解するためには、正確な仏教用語の定義と用例の精査が不可欠である。本プロジェクトはそれを徹底的に遂行し、研究は着実に進展している。すでに、中間成果として『『倶舎論』を中心とした五位七十五法の定義的用例集』(仏教用語の現代基準訳語集および定義的用例集、バウッダコーシャI)『瑜伽行派の五位百法』(同II)『ブッダゴーサの著作に至るパーリ文献の五位七十五法対応語』(同III)を出版するとともに、前2者については、電子媒体で公開している。また、この間の活動と成果については、種々の国際学会・国内学会・ワークショップ、ならびに公開シンポジウム(2回)で公にするとともに、「ニューズレター」(1~3号)を発刊して周知を図ってきた。なお、本プロジェクトはH26年3月に研究進捗状況報告を行い、H26年9月19日に通知された評価結果は「A」であった。
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Strategy for Future Research Activity |
H27年度は本プロジェクトの最終年度となるため、各研究班の成果をとりまとめ、全体として総括的な成果を紙媒体と電子媒体とで公開する予定である。本研究に対する内外の期待は大きく、今後、日本語による成果の拡充とともに、英語版ならびに中国語版の作成を並行して行い、国際的に研究をリードする日本のインド学仏教学研究における最先端の成果を公開したい。H28年度以降は、特別推進研究による発展的な研究プロジェクトとして、より広い範囲の研究・教育者とともに推進したいと考えている。
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