2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23224006
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
仲澤 和馬 岐阜大学, 教育学部, 教授 (60198059)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷田 聖 独立行政法人日本原子力研究開発機構, その他部局等, 研究員 (00360587)
肥山 詠美子 独立行政法人理化学研究所, その他部局等, その他 (10311359)
高橋 仁 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 准教授 (60353372)
星野 香 岐阜大学, 教育学部, その他 (70022738)
渡部 豊喜 名古屋大学, 理学(系)研究科(研究院), その他 (20402422)
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Project Period (FY) |
2011-05-31 – 2016-03-31
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Keywords | ダブルハイパー核 / 原子核乾板(エマルション) / 複合実験法 / 全面スキャン / シリコン半導体検出器(SSD) / KURAMAスペクトロメータ / ハイパーボール / 少数多体計算 |
Research Abstract |
エマルション関係では,①完成したダブルハイパー核実験棟で,2.1tもの乳剤を乾板にする作業が順調に進展し,平成26年5月には終了できることとなった。またビーム照射まで,宇宙線や大気中のガンマ線による被ばくを避けるべく,すべての乾板を神岡鉱山内に保管させていただくことにした。②全面スキャンの高速化を推進した。R&Dを兼ねて過去の実験の乾板のスキャンを開始し,数個のダブルハイパー核,数十個のシングルハイパー核の検出に成功したことは,ビーム照射さえできれば,当初の目的を達成できる見通しを示すもので,非常に重要である。 半導体検出器(SSD)は実機が完成し,J-PARCに持参し,現地での調整に入るところまでたどり着いた。 カウンター・チェンバーやスペクトロメータ磁石については,KURAMA磁石の磁極間を広げることで,当初目的を上回る数のダブルハイパー核の検出が期待できることになり,既存チェンバーの整備と下流側エンドガードの開口を広げる改造を行った。この改造によって変化する磁場分布の測定も終了した。 Ge半導体X線ガンマ線検出器は,ビームライン上に配置するための設計を終了し,治具も完成した。SSD+チェンバー+Ge検出器を組み合わせた試験を,平成26年6月に東北大で実施することになった。 理論担当者は,6H_ΛΛの発見も視野に入れ,イタリアで発見された6H_Λの解析に取り組んだ。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
実験するための準備はおおむね順調に進展しているが,J-PARCにおける放射能漏えい事故(平成25年5月)により,ビーム照射時期がやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年末にはビーム供給が開始できるように,J-PARCでは改修が進んでいる。やや遅れているビーム照射までに,検出したダブルハイパー核の核種同定のための娘粒子同定の手法と,即座に解析できるシステムの開発を進めている。これにより,上記の予定でビーム供給が開始されれば,研究期間内に研究を遂行できる見込みである。一方,研究進捗状況報告書で示したように,直接経費で購入できないものを準備する経費がないことによる対策が非常に煩雑である。また,ビーム照射時期が上記よりさらに遅延することになれば,計画の変更を余儀なくされることになり,その際には,乾板の現像にかかる経費の不足が予想されるが,現状ではこれに対する対策は考えていない。
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Research Products
(19 results)