2014 Fiscal Year Annual Research Report
超強磁場中性子・XMCDによる量子磁気偏極相の解明
Project/Area Number |
23224009
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
野尻 浩之 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (80189399)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鳴海 康雄 東北大学, 金属材料研究所, 准教授 (50360615)
桑原 慶太郎 茨城大学, 理工学研究科, 准教授 (90315747)
中村 哲也 公益財団法人高輝度光科学研究センター, 利用研究促進部門, 主幹研究員 (70311355)
中島 健次 独立行政法人日本原子力研究開発機構, J-PARCセンター, 研究主幹 (10272535)
大山 研司 東北大学, 原子分子材料科学高等研究機構, 准教授 (60241569)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 磁性 / 強磁場 / 中性子回折 / X線分光 / 量子相転移 |
Outline of Annual Research Achievements |
H26年度は、中性子回折実験において、H25年度に引き続きU(Ru1-xRhx)Si2系の磁場誘起秩序状態の磁気構造決定を目指す実験を行った。その結果、Rhの4%で観測されたフェリ磁性構造は2%では消失し、0%では別の波数になることが判明した。磁気構造モデルの構築のためにH27年度に追加実験を実施する。直交ダイマー系SrCu2(BO3)2の磁化プラトーの磁気構造については、1.5 K、33 Tまでの測定を行い1/8磁化プラトーとその強磁場側の構造を探索したが、この温度では磁気回折は観測されなかった。さらに低温での実験のために3Heの開発を行い、H27年度からの実施に目処をつけた。低次元量子物質系の中性子回折では、この他に、磁化プラトー系のNH4CuCl3の磁気構造の決定とダイヤモンド鎖の実験に進捗があった。また、マルチフェロ物質では、MnWO4の全ての相の磁気構造の決定、LiNiPO4の磁場誘起相転移の磁気構造の決定にも成功した。 X線分光実験に関しては、H25年度から開発してきた1.5 Kの低温環境の開発を進め、還元温度で従来の1/5以下にする目処をつけた。CeRu2Si2を始めとした電子相関と価数揺動の強いCe系の強磁場XMCD測定を行い、磁場誘起磁化の観測に成功した。Eu系の磁場誘起価数転移においては、飽和に至る磁場誘起価数転移の観測に成功し、磁化と価数の定量的な同時解析が可能になった。これらの結果を踏まえて、他の価数揺動系を含めた統一的な理解に向けた解析を推進した。これと平行して、既に実験が進行しているマルチフェロ物質の磁場誘起相転移等について解析を進め、論文として取り纏めた。この中で、LuFe2O4について、磁気相関と電荷秩序の相関について実験的に明らかにした。さらに、本研究で開発した強磁場技術が、THz分光等の他実験への応用に技術移転される成果も得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
H26年度は、U系の中性子回折について、昨年度に引き続き進展があり、J-PARCのビーム停止等で遅れていた低次元系の中性子回折についても進捗がはかられた。技術面においては、低温の利用について中性子、X線とも順調に開発が進んだ。X線については、Ce系でのXMCDに成功し、Eu系については研究がほぼ完成した。研究の取り纏めについても、進捗があり、H27年度に主要な成果の出版が出来る所まで進める事が出来た。以上のように、研究は順調に進捗している。
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Strategy for Future Research Activity |
H27年度は最終年度になるので、目的に掲げた課題が達成出来るように、実験と取り纏めの両方で推進を図る必要があり、このために、各施設での課題申請を多数行い、十分なマシンタイムの確保を行っている。これらの仕上げ実験を遂行しつつ、纏めに十分な時間を割く事で成果の公開が出来るように調整を十分に行う計画である。
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Research Products
(30 results)
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[Presentation] SPring-8/SACLAにおけるパルス強磁場を用いた弱結合未知粒子の探索I2015
Author(s)
稲田聡明, 山崎高幸, 難波俊雄, 浅井祥仁, 小林富雄, 田中義人, 玉作賢治, 澤田桂, 矢橋牧名, 石川哲也, 犬伏雄一, 金道浩一, 野尻浩之
Organizer
日本物理学会第70回年次大会
Place of Presentation
早稲田大学 (東京都新宿区)
Year and Date
2015-03-21 – 2015-03-24
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[Presentation] SPring-8/SACLAにおけるパルス強磁場を用いた弱結合未知粒子の探索II2015
Author(s)
山崎高幸, 稲田聡明, 難波俊雄, 浅井祥仁, 小林富雄, 田中義人, 玉作賢治, 澤田桂, 矢橋牧名, 石川哲也, 犬伏雄一, 金道浩一, 野尻浩之
Organizer
日本物理学会第70回年次大会
Place of Presentation
早稲田大学 (東京都新宿区)
Year and Date
2015-03-21 – 2015-03-24
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