2012 Fiscal Year Annual Research Report
「パルス中性子による物質材料および空間場の組織構造・物理量イメージング」
Project/Area Number |
23226018
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
鬼柳 善明 北海道大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (80002202)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古坂 道弘 北海道大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (60156966)
宇野 彰二 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 教授 (70183019)
持木 幸一 東京都市大学, 工学部, 教授 (80107549)
篠原 武尚 独立行政法人日本原子力研究開発機構, J-PARCセンター, 研究副主幹 (90425629)
|
Project Period (FY) |
2011-05-31 – 2016-03-31
|
Keywords | 放射線 / イメージング / 材料組織構造評価 / 磁場イメージング / 中性子 / 画像検出器 |
Research Abstract |
ブラッグエッジ透過スペクトル解析コード「RITS」の高度化(特に結晶構造解析・結晶相解析)および、これを応用した工学材料研究としてHigh Pressure Torsion 加工材、鉄鋼材料、日本刀の結晶組織構造情報のイメージング研究を行った。共鳴解析の定量化に向け、J-PARC/MLF/BL10の共鳴領域の中性子放出時間分布を再現する関数をシミュレーション計算と実験により導出した。また、その関数を実装した共鳴解析コードで共鳴吸収ピークの解析を行い、高精度で核種量を推定できることを確認した。小角散乱に関して、マルチピンホールパターンを最適化する手法開発とモンテカルロ法による検証を行った。これにより、装置性能を下げることなくマルチピンホールSANSパターンの制御が可能となった。また、関連実験を行いSANSパターンの分離を試みた。 磁気イメージングでは測定システムを組み上げ、コイル磁場について測定を行い、磁場強度およびベクトル磁場の導出に成功した。この値は他の手法で得られた値とほぼ一致しており、非接触の磁場測定法として、精度の検証ができた。 水素吸蔵合金の中性子透過率を測定し、水素吸蔵量の増加にともない低エネルギー領域における全断面積の顕著な増加が観察された。合金内水素拡散等のダイナミクスを定性・定量的に評価が可能な事が示唆された。 GEM型中性子検出器開発について、データ収集用電子回路基板の試作を行った。高密度実装された特殊用途集積回路を完成させる上で重要な知見を得た。真空管式中性子イメージインテンシファイアを購入し、ASTMインジケータを用いた特性試験を行った。これによりγバーストを使ったイメージングおよびエネルギー選別した中性子イメージングが可能であることを確認した。高速度カメラの性能試験を行い、その結果から画像積算が可能であることが分かった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ブラッグエッジ解析コードの高度化と応用研究を行った。共鳴定量解析のための関数導出、および核種量推定を行った。小角散乱イメージングでは、ピンホールパターンの検討を行った。磁気イメージングでは、装置整備と磁場ベクトル定量化法のための試験を進めた。検出器関連では各機器製作、購入、性能評価が進められた。概ね計画通りに進展している。
|
Strategy for Future Research Activity |
これまで概ね計画通りに研究が進展している。平成25年度の研究はこれまでの成果をベースに計画を立て進めていく予定である。各々の研究技術全般で、これまでに準備してきた機器の利用と検証、新技術への取り組みを行う。具体的には、非対称ひずみに関するブラッグエッジCTへの取り組み、モデル化した共鳴解析関数の実証研究、中性子偏極度を低下させることなく試料空間に輸送するための磁場環境整備と空間磁場測定高精度化、GEM検出器おける特殊用途集積回路の完成などが挙げられる。また、応用研究についてもさらに研究解析を進めていく予定である。
|
Research Products
(26 results)