2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23227001
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
福田 裕穂 東京大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (10165293)
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Project Period (FY) |
2011-05-31 – 2016-03-31
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Keywords | 成長生理 / 植物 / 発生・分化 |
Research Abstract |
本年度は以下の4つの課題について研究を行った。 1)細胞内キナーゼBIN2のホモローグBIL1、BIL2の機能解析を行った。TDIFの受容体であるTDRのキナーゼドメインに、植物GSK3キナーゼメンバーのBIL1、BIL2、BIN2が結合するかどうかを酵母のtwo hybridization系およびFRETを用いて解析し、いずれも結合することを明らかにした。この解析の過程で、植物の他のGSK3メンバーが関与する可能性が示唆されたので、残りのすべてのメンバー、7種についても解析し、そのうち3つのGSK3メンバーが結合することを明らかにした。また、TDIFにより、BIL2、BIN2はTDRから遊離するのに対して、BIL1は結合したままであるという、反応の違いが明らかとなった。 2)ブラシノステロイドシグナル伝達とTDIFシグナル伝達のクロストークを、すでに確立したシロイヌナズナlead disk系を用いて行った。分化系にブラシノライド、GSK3の阻害剤,TDIFを加えることにより木部分化の影響を調べた。その結果、ブラシノステロイドとTDIFシグナルはGSK3をそれぞれ、負および正に制御することにより木部分化を制御していることが示唆された。 3)新規LRR-RLKの維管束分化に対する解析のために、すでに集めたLRR-RLKのT-DNA挿入変異体の維管束形成の異常を調査した。その結果、1つの突然変異体で木部分化に異常が見られた。この結果は、TDIF-TDRだけでなく複数のリガンドーLRR-RLK系が木部分化に関与していることを示した。 4)すでに確立したシロイヌナズナ木部分化系を改変して篩部分化系の確立をめざした。このために、形態的な観察、網羅的な遺伝子解析を行った。しかし、篩部分化に関する十分な証拠は得られなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
4つの研究目的の内、3つは目的を達成し、さらにそのうち1つについては、リガンドの結合により受容体からシグナル伝達を仲介するリン酸化酵素が解離するという新たな発見をするという当初の計画以上の結果を得たため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は当初計画に沿って、維管束幹細胞の発生運命の制御機構を「維持」、「成立」、「分化」の3つに分けて行う。特に、「維持」に関しては、1) TDIF-TDRシグナルの下流にある木部分化阻害機構の解明、2) WOX4の下流因子の解明、3) 木部細胞からの幹細胞運命制御因子の探索、4) 新規TDIF-TDRシグナル伝達系因子の同定を、「成立」に関しては、1)leaf disk培養を用いた解析を、「分化」に関しては、1) BRシグナルの木部分化誘導のターゲット転写因子の探索を行う。
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[Journal Article] The proteasome is responsible for caspase-3-like activity during xylem development.2012
Author(s)
Han, J. J., Lin, W., Oda, Y., Cui, K. M., Fukuda, H., and He, X.Q.
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Journal Title
Plant J.
Volume: 72
Pages: 129-141
DOI
Peer Reviewed
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