2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23229005
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (S)
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
谷口 克 独立行政法人理化学研究所, 免疫制御研究グループ, グループディレクター (80110310)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原田 通成 独立行政法人理化学研究所, 免疫制御研究グループ, 研究員 (20333487)
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Project Period (FY) |
2011 – 2015
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Keywords | NKT細胞 / 発生分化 / 機能分化 / 転写因子 / Vα14Jα18受容体遺伝子 / 単一細胞PCR / shRNA / レンチウイルベクター |
Outline of Annual Research Achievements |
1. NKT細胞系列決定遺伝子群の同定と機能遺伝子の発現制御 (1)NKT前駆細胞から成熟過程における転写因子の時系列的発現プロファイリング : Gene ontologyを用いて、全ゲノムから転写因子2,144遺伝子を選抜した。426遺伝子について、単一細胞レベルのRT-qPCR法でマウス由来NKT前駆細胞における発現確認を終了した。NKT前駆細胞に特異的に発現する転写因子3個、胸腺内未成熟型NKT細胞に発現する特異的転写因子19個を同定することに成功した。 (2)NKT分化の系列決定や機能獲得の遺伝的制御機構解明 : 同定した候補遺伝子についてはレンチウイルベクターによるshRNA法を用いたin vitro阻害実験を行ない、NKT細胞分化に影響のある8転写因子を見いだした。その中の1遺伝子c-Mafについては遺伝子欠損マウスを用いた解析の結果, NKT細胞分化が阻害されることからNKT前駆細胞から最終段階のNKT細胞へ分化するステージに必須の遺伝子であることが判明。現在論文作成中。 2. NKTサブセットの胸腺内分化 NKT細胞は胸腺内では3つのステージSt1-St3と分化することが知られていたが、St1/St2NKT細胞は主にIL-17RB^+NKT細胞で、TH2、TH9およびTH17サイトカイン産生し、NKT細胞の10%を占めるが、St3NKT細胞はIL-17RB^-NKT細胞で、IL-12Rを発現し、IFN-γを産生し、NKT細胞の90%を占める。マイクロアレイ解析、細胞移入実験から、遺伝子発現パターン、細胞表面マーカー、サイトカイン産生いずれの点においても、この2つの集団は別々の集団で、異なる分化経路を取ることが判明し、これまで信じられていた分化経路とは異なるもので、NKT細胞分化に新しい知見を示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画した内容に着手、ほぼ終了したため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、残りの転写遺伝子に対する発現遺伝子の解析を行い、そこから得られた候補遺伝子に対して必要なレンチウイルスベクターの作成、およびKOマウスの入手と樹立し、機能解析を行っていく。
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Research Products
(2 results)