2014 Fiscal Year Annual Research Report
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23229005
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
谷口 克 独立行政法人理化学研究所, 統合生命医科学研究センター, グループディレクター (80110310)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原田 通成 独立行政法人理化学研究所, 統合生命医科学研究センター, 研究員 (20333487)
香城 諭 独立行政法人理化学研究所, 統合生命医科学研究センター, 研究員 (70360542)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | NKT細胞 / 転写因子 / 分化経路 / エピジェネティック制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.NKT細胞系列決定遺伝子群の同定 NKT細胞の系列決定および分化に関わる遺伝子の同定を目的とし、NKT細胞分化に伴う遺伝子発現プルファイルをRNA-seqによって実施し、複数の候補遺伝子を選定した。これら候補遺伝子のNKT細胞分化への関与を確認するために、NKT-ES細胞を用いたNKT細胞分化誘導系におけるshRNAによる遺伝子ノックダウンを実施した。その結果、Phlda2, Nfe2l3, Sfrp1, Mdfic, Ablim3, Dppa5a, Zfp286, Hlf, Hmga2 Foxs1など複数の遺伝子においてNKT細胞分化への関与が認められた。これらに関して、ノックアウトマウスの作成を実施している。本年度は特に、新しい遺伝子編集技術であるCRISPR/CAS9システムを用い、遺伝子欠損マウスの作成を試み、複数遺伝子についてノックアウトアリルを保有するマウスを得た。 2.新しいNKT細胞分化経路の発見 各種転写因子リポーターマウスを用いたNKT細胞分化のFate mappingを実施した。その結果、T細胞およびNKT細胞分化において予てより必須であると信じられていたCD4/CD8 DPステージを経ない、新しいNKT細胞分化経路(DN経路)の存在が示唆された。 3.NKT細胞分化のエピジェネティック制御 NKT細胞の分化において、エピジェネティックな遺伝子発現制御機構が重要であると仮定し、エピジェネティック制御因子欠損マウスにおけるNKT細胞の解析を実施した。その結果、ヒストンH2AのK119をユビキチン化するエピジェネティック制御因子であるRing1分子がNKT細胞の分化に強く関与することが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
申請者は、NKT細胞には4種類の機能の異なる亜集団が存在し、それらは異なる転写因子の発現によって機能が決定されていることを発見した(PLoS Biology 10:e1001255, 2012)。さらに平成26年度では、定説であったDP経路以外に、DN経路と呼称すべき新しい分化経路が存在することを確認した。これは予想外の成果であり、リンパ球の分化経路に新しい知見をもたらす大きな発見と言える。 shRNAを用いた遺伝子ノックダウン実験から、複数の遺伝子がNKT細胞分化に寄与していることを明らかにした。このような大規模スクリーニングによってNKT細胞分化に寄与する遺伝子を多数同定した例はなく、NKT細胞分化研究領域を大きく進展させる優れた成果と考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題においては、新規のNKT細胞分化経路の発見となる予想外の結果を得た。これに関して、更なる検証を研究計画に加え実施する。 また、本研究課題においては、ES細胞を用いたスクリーニングによって、NKT細胞分化に関与する遺伝子を複数同定した。最終的には遺伝子欠損マウスでの検証をもってNKT細胞分化への貢献度を確定する必要がある。しかしながら、遺伝子欠損マウスの作成には長い期間を必要とするため、その作成速度を高める施策の導入が必要と考えられた。これを目的として、CRISPR/CAS9システムによるゲノム編集法を導入する。
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Research Products
(11 results)
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[Journal Article] Suppressed rate of carcinogenesis and decreases in tumour volume and lung metastasis in CXCL14/BRAK transgenic mice.2015
Author(s)
Hata R, Izukuri K, Kato Y, Sasaki S, Mukaida N, Maehata Y, Miyamoto C, Akasaka T, Yang X, Nagashima Y, Takeda K, Kiyono T, Taniguchi M.
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Journal Title
Scientific Reports
Volume: 5
Pages: 9083
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] KLRG+ invariant natural killer T cells are long-lived effectors.2014
Author(s)
Shimizu K, Sato Y, Shinga J, Watanabe T, Endo T, Asakura M, Yamasaki S, Kawahara K, Kinjo Y, Kitamura H,Watarai H, Ishii Y, Tsuji M, Taniguchi M, Ohara O, Fujii S.
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Journal Title
Proc Natl Acad Sci U S A.
Volume: 111
Pages: 12474-12479
DOI
Peer Reviewed
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