2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23240032
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Research Institution | National Institute of Japanese Literature |
Principal Investigator |
相田 満 国文学研究資料館, 研究部, 准教授 (00249921)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 和歌子 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (00243288)
三田 明弘 日本女子大学, 人間社会学部, 教授 (00277865)
野本 忠司 国文学研究資料館, 研究部, 准教授 (20321557)
原 正一郎 京都大学, 地域研究統合情報センター, 教授 (50218616)
古瀬 蔵 国文学研究資料館, 研究部, 教授 (50462172)
石井 行雄 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (60241402)
梅川 通久 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 研究員 (80372548)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | オントロジー / 概念語 / 古事類苑 / 漢字 / 情報検索 / 古事記 / データベース / 千字文 |
Research Abstract |
本年度は既存資源の活用のために必要なオントロジデータの集積作業を継続するとともに、実験素材となる基礎データの入力を中心に進めた。残りの研究期間を有効に活用するため独自性のある研究主題を深めるため、研究モデルの提示に取り組むことにより、システム開発のための仕様調査の一環とした。 データ収集・作製では、前近代文献・資料の解析に資する概念語の蓄積をさらに進め、和名類聚抄などの大規模辞書の概念語データ入力や、人名の切り分け実験に資するために『古事類苑』姓名部の前半部の入力を終了した。また、地名資源の高次活用と研究モデルを模索するために、GIS情報を記録可能なデジタルカメラを使用して歴史的建造物・碑文の記録に高度情報を付加することを始めた。 研究モデルの提示では、オントロジの最小単位に、基層漢字という文字文化を支える概念を知識の第一層・第二層レベルで運用されものと想定し、その応用分析に成果が出つつある。具体的には、日本における古代初期の書記環境(漢字環境)の実態を想定に即して、それが上代文献の基層にいかなる典籍により習得され、その概念を利用して執筆が行われたものかを検出する実験と考察を行ったところ、その成果に学会的にインパクトを与えることが出来ると予想される結果が出たことである。 すなわち、『古事記』における基層となる漢字環境を、語彙・使用漢字(異体字を考慮しての考察)の面から分析した結果、伝承で言われる『千字文』に加えて、仏教経典、しかも浄土経典による知識を基に記述されているというものであった。 本結果は、太安万侶が火葬ていたことと併せて、古事記伝に代表される本居宣長のいわゆる「からごころ」を排した研究で成り立ってきた国学の伝統を根底から覆す可能性を持つ。よって、さらに検証作業を続けるとともに、本成果を活用するための諸作業の整備と成果の発表にも重点を置くことにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
分担者・連携研究者が一同に会する全体会の開催は叶わなかったが、個別あるいは複数研究班各員と時間をかけた議論を複数回重ねることができた。システム開発については、Windows8へのドラスティックな環境の変化に、多くのメンバーが対応できていない事情もあって、今年度は静観することとし、開発のための仕様調査は次年度以降に行うこととした。また、アルバイトに中国人留学生を複数人雇用できた関係で、データの採集に幅がでは、日本と中国の違いが比較できるようなオントロジデータが採集されつつある。息の長い取り組みにはなるが、今後も続けていきたい。研究業績については、知識発見型による研究モデルの提示が行えるようになってきた。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は本研究に関わる一連のデータ、プロジェクトから派生して、研究協力者、分担者が新たに基盤(B)クラスの)科学研究費を取得し、それに向けた研究活動を始めた。それにともない、当該研究において本研究と重複するものがある場合は、れらをサポートする立場へと主体を転換する。たとえば、暦日データの全文テキストへの応用システムや、『古事類苑』の検索システムのナビゲーションインターフェイスなどにである。よって、本研究における研究主題は、次の段階に構想する要件に取り組むことが可能となってきた。具体的には、高度データを有するデジタルデータを、文学研究に如何に取り扱うか、あるいは高度・基層漢字のオントロジによる知識発見などである。また、人名の認識とそれにともなう地名オントロジの分析・構造化のような実験的要素の強いデーの構築や、蓄積された概念語データを利用した高次検索などのシステム開発については、近年のPC環境の変化の動向が見えてきた本年度から仕様策定を進めたい。
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[Presentation] Spatiotemporal Tools for Humanities2012
Author(s)
Shoichiro Hara & Tatsuki Skino
Organizer
Here and There, Then and Now – Modelling Space and Time in the Humanities (A Pre-conference Workshop of Digital Humanities 2012)
Place of Presentation
University of Hamburg(ドイツ)
Year and Date
20120716-20120722
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