2012 Fiscal Year Annual Research Report
日本人の身体活動量に関与する環境・遺伝要因とその相互作用に関する網羅的研究
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23240089
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Research Institution | National Institute of Health and Nutrition |
Principal Investigator |
宮地 元彦 独立行政法人国立健康・栄養研究所, その他部局等, 部長 (60229870)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 身体活動 / 遺伝要因 / 環境要因 |
Research Abstract |
日本人の身体活動量に関与する環境・遺伝要因とその相互作用に関する網羅的研究は大きく3つの検討班が活動している。 一つ目の遺伝子多型検討班では、身体活動・運動行動における遺伝要因の網羅的解析をSNPチップ(Illumina社Human OmniExpress)を用いて検討している。本年度は昨年度までの230名に加えて、288名のgenotypingを実施し、計518名の遺伝要因の網羅的解析を実施した。今後は、これらSNPデータと3次元加速度計により得られた身体活動量データおよび質問票により得られた運動行動等の関連について検討を行っていく。本研究班の研究成果から4つの学術論文が24年度に公表されている。 2つ目の文献調査・外敵要因検討班では、身体活動・運動と住環境との関係を検討している。コホート参加者の居住地の郵便番号に基づき、公共交通機関へのアクセス、運動施設・公園へのアクセスなど身体活動・運動と物理的インフラと関係を検討している。 3つ目の免疫・疲労検討班は、身体活動量や肥満度の個人差に影響する遺伝要因としてのtoll-like receptor 5 (TLR5)遺伝子の可能性、およびTLR5遺伝子が影響するとされる腸内細菌バランスに及ぼす自発的あるいは強制的運動習慣の影響について検討するために、C57BL/6雄性野生型(wild type)マウス(n=24)およびTLR5遺伝子欠損型(TLR5 KO)マウス(n=24)を、それぞれ自発運動条件と安静条件に分け、実験を継続中である。本研究班の1つの学術論文が平成24年度に公表されている。 以上を総合すると、平成24年度は概ね順調に計画を達成していると判断する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究は大きく3つの検討班が活動している。一つ目の遺伝子多型検討班は、当初の24年度に予定していた以上の数のGWAS解析を終了し、計画を上回る進捗状況にある。2つ目の文献調査・外敵要因検討班では、一昨年度すでに文献研究を終了し、24年度から外的要因すなわち環境要因に関する検討を開始したばかりで、進捗状況が7割程度と若干遅れ気味である。3つ目の免疫・疲労検討班は、24年度にすでに原著論文を発表しており、概ね計画通りに研究が進捗している。これら3つの検討班の達成度を総合すると、概ね順調に計画を達成していると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
3つの検討班の進捗状況から、一つ目の遺伝子多型検討班および3つ目の免疫・疲労検討班は、24年度に計画以上の達成度に到達しているため、このままの方向性で研究を推進する予定である。2つ目の文献調査・外敵要因検討班で進捗状況が7割程度と若干遅れ気味であることから、研究代表者の宮地が25年度より本研究班に所属し、計画の推進を図ることとする。
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Research Products
(12 results)