2012 Fiscal Year Annual Research Report
無線通信による熱中症予防支援システムの構築と被服環境デザインの最適化
Project/Area Number |
23240099
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
薩本 弥生 横浜国立大学, 教育人間科学部, 教授 (10247108)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
一木 正聡 独立行政法人産業技術総合研究所, その他部局等, 研究員 (00267395)
榎本 ヒカル 東京福祉大学, 教育学部, 講師 (00423517)
鈴木 章夫 独立行政法人産業技術総合研究所, その他部局等, 研究員 (20357289)
田中 英登 横浜国立大学, 教育人間科学部, 教授 (60163557)
上野 哲 独立行政法人労働安全衛生総合研究所, その他部局等, 研究員 (60291944)
竹内 正顕 桐蔭横浜大学, スポーツ健康科学部, 教授 (80016526)
河野 隆二 横浜国立大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (90170208)
香川 利春 東京工業大学, 精密工学研究所, 教授 (50108221)
杉本 千佳 横浜国立大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (40447347)
島崎 康弘 岡山県立大学, 情報工学部, 助教 (20584270)
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Project Period (FY) |
2011-11-18 – 2015-03-31
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Keywords | 熱中症予防 / 温熱的快適性 / ウェアラブル / 換気 / トレーサガス法 |
Research Abstract |
BAN無線センサシステムの小型化・高信頼化・ユーザビリティ向上のため、23年度設計変更した仕様に基づき「衣服内気候計測計」および「体表温度計」を完成させた。チップ基盤を新たにおこし、部材の変更、電池の小型化・低消費電力化、実装の工夫を行うことにより、小型化と頑強化を実現した。このシステムを用いることで、フィールド環境および人工気候室で低拘束に温熱環境下での生体情報計測・評価実験を行うことが可能になった。 歩行時の靴のふいご作用による換気量の客観的な評価法を確立するために,歩行動作および接地時の床反力を模擬できる模擬足・足部歩行模擬装置を作製し被験者実験で得た接地面積や足底負荷量、足圧分布と比較した。その結果、値変化の滑らかさと形状は歩行時に一致はしないが、換気を引き起こす作用面では十分な模擬が可能なことが確認された。この模擬装置を用い、トレーサガス法の計測システムを組み合わせて、市販靴と換気改良靴の換気量を被験者実験で得られた結果と比較した。換気量の絶対値は一致しなかったが大小比較には十分有効な装置となった。 着衣の換気および熱移動性能への風,動作,換気口の影響を歩行サーマルマネキンを用いて定量評価した。換気口は、無風・安静時には有効でなく、歩行動作をして初めて有効となることが明らかとなった。歩行と風の有無の効果を比較すると、無風閉鎖条件での歩行は、風よりも放熱効果が小さかったが、開口すれば、有風開口と遜色ない放熱効果があることがわかった。熱通過率と換気速度の比較により、着衣の熱移動性に着衣・動作・環境の因子が及ぼす効果を検討する評価法として両者で相関があり、概ね一致した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度繰り越した予算を用いて本年度、BAN無線センサシステムが試作でき、それを用いたフィールドおよび実験室実験が実施できたため、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに構築したBAN無線センサシステムを改良しつつ、このシステムを用いて各種作業時の常時モニタリングシステムへ応用し,取得したデータからの熱中症行動・状態モデルの構築と新たな評価指標による熱中症予防支援システムを構築する。また,暑熱環境時の熱中症予防のため温熱的に最適な着衣の条件を検討するため,着衣の熱水分移動性能への風,動作および着衣のデザインによる影響を評価するシステムを構築する。 昨年度、熱中症予防に有効な着衣条件を検討するため,着衣の換気および熱移動性能への風,動作、着衣のデザインの影響を評価するため歩行サーマルマネキンを用いて評価した。実験結果より乾性放熱の範囲で換気口の開口や環境の風速、歩行などが熱通過率に及ぼす効果を定量化することができた。本年度は、マネキンでの実験が継続不可能となったため、これまでの成果をまとめ、学会発表する。 昨年度、歩行動作および接地時の床反力を模擬できる模擬足・足部歩行模擬装置を作製し被験者実験で得た接地面積や足底負荷量、足圧分布と比較した。その結果、値変化の滑らかさと形状は歩行時に一致はしないが、換気を引き起こす作用面では十分な模擬が可能なことが確認された。また、トレーサガス法の計測システムを組合せて、市販靴と換気改良靴の換気量を被験者実験で得られた結果と比較した。換気量の絶対値は一致しなかったが大小比較には十分有効な装置となった。本年度は、人の歩行時の足の観察、模擬足の皮膚の動き等も観察して,より人の歩行に近い足部再現できるように改良する。
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