2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23240101
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
後藤 景子 奈良女子大学, 生活環境科学系, 教授 (30243356)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 みゆき 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (10174434)
山口 庸子 共立女子短期大学, 生活科学科, 教授 (20201832)
田川 由美子 大阪産業大学, 経営学部, 教授 (40207808)
尾畑 納子 富山国際大学, 現代社会学部, 教授 (60201406)
生野 晴美 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (80110732)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 節水洗濯 / ドラム式洗濯機 / 液体洗剤 / 人工汚染布 / 洗浄性評価 / 超音波洗浄 / ペルオキシダーゼ / アルカリ電解水 |
Research Abstract |
関東、北海道および北陸でのアンケート調査から,3地域ともに液体洗剤へ移行しており、北海道では液体洗剤、関東では超コンパクト洗剤、北陸では粉末洗剤の使用が多いことがわかった。シンガポールでは水効率を謳った洗濯機の販売が進められており、液体洗剤やタブレット洗剤が主流であることがわかった。家庭用ドラム式洗濯機やISOドラム式洗濯機を用いて人工汚染布や機械力評価布の洗浄を行った結果,浴比低下により機械力の減少やバラツキが生じ、これに伴って汚れの洗浄性が低下して洗浄ムラが増大することが確認された。 節水による洗浄性低下を補う方法について、モデル系や人工汚染布を用いて洗浄液組成、機械力および被洗浄物の観点から検討を行った。臨界ミセル濃度以上の高濃度で大きな洗浄性を示す界面活性剤が存在すること、38kHz超音波を利用すると高い洗浄性と布の損傷抑制が得られること、大気圧プラズマ処理により合成繊維布からの汚れ除去が促進されることなどの知見が得られた。超音波周波数38kHzと130kHzを比較したところ、粒子汚れでは38 kHzの方が低出力で高い洗浄率が得られたが,SDSの添加効果は認められなかった.油汚れでは,いずれの周波数ともNaOHまたはSDSの添加により洗浄が促進された.西洋ワサビ由来ペルオキシダーゼ(POD)を用いて染料の退色反応を速度論的に検討した結果,活性化剤の共存で退色することがわかった。また、移染防止のための反応条件の最適化を行い,退色の最適条件を決定した。さらに、熱耐性がある大豆由来PODの品種別分子量を調べた。アルカリ電解水と酵素の相互作用に関して、アルカリ電解水中でのリパーゼの活性能低下は起きなかった。また、市販洗剤とアルカリ電解水では日本の人工汚染布に比べ外国の人工汚染布の除去性は低かったが、洗濯排水の汚濁度はそれほど高くなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
家庭洗濯の実態調査, 節水洗濯に関する実験的評価がほぼ完了し、界面活性剤、助剤、用水、機械力、被洗物などの観点から節水型洗浄システム構築のための多くの知見が得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
・洗浄温度と節水の関係に関して、風呂の残り湯を利用した家庭洗濯のLCAを実施する。 ・節水洗濯で汚れの洗浄性が減少する理由について、汚れの再付着の観点から実験的に明らかにする。 ・超音波と他の機械力を組み合わせることにより、布の洗浄性や布の損傷抑制の観点から優れた節水洗濯システムの構築に関する基礎的知見を得る。 ・大豆由来PODペルオキシダーゼ(POD)の退色反応について調べる。 ・得られた知見をもとに節水化を基軸とした環境対応型洗浄システムの具体的提案を行う。
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