2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23240109
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
前迫 孝憲 大阪大学, 人間科学研究科, 教授 (00114893)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒田 恭史 佛教大学, 教育学部, 教授 (70309079)
小池 敏英 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (50192571)
吉富 友恭 東京学芸大学, 環境教育研究センター, 准教授 (20355829)
森川 治 (独)産業技術総合研究所, ヒューマンライフテクノロジー研究分野, 主任研究員 (50358181)
西森 年寿 大阪大学, 人間科学研究科, 准教授 (90353416)
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Keywords | 教育工学 / ネットワーク / 遠隔教育 |
Research Abstract |
本研究は、2020年の生徒一人一台情報端末導入や教材デジタル化を支えるモデルとして期待される「学習者連携による協働教育」の展開を図る教育クラウド(協働教育プラットフォーム)の開発を目的としている。すなわち、学校間や教室と地域・家庭をつなぐ高速超低遅延時間の地域無線LAN学習環境の開発、教室内に映像合成機器等の特殊装置を要しない身体協調型クラウド協働学習環境の開発、ソーシャルメディアと融合したクラウド環境による特別支援や地域教材・カリキュラム開発および運用、神経科学的学習時機能計測装置の開発と客観的学習評価法の検討を進めている。 研究のスタートとなった本年度は、直前に発生した東日本大震災を受けて、学校をはじめとする教育機関において、情報基盤等関連分野に生じた問題点を現地で確認すると共に、支援を進めるNPO等の活動に参加、現場の課題等を探索した。特に、災害発生直後の光ファイバ等通信線の切断や送電停止に伴う電力不足、それに付随して生起した携帯電話等の不通が、衛星通信や地域無線通信等の仮設営により暫定復活した状況等を調査した。そして、通信途絶を起こさない教育情報基盤の検討を(構成員を務めるフューチャースクール推進事業等において)開始すると共に衛星インターネット装置を導入、学校や地域教育機関で活用可能なモデルの構築実験を開始した。さらに、教授学習時の教師と学習者の協調活動過程を神経科学の観点から計測する試みを進めた他、教育クラウド環境における広域分散アーカイブやセキュリティ処理についても検討をおこなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
国内外の関連分野に関する調査や要素技術の研究開発については着実な進展が見られている。さらに、従来のデータセンター内クラウド環境のみならず、東日本大震災の経験を踏まえ、衛星通信と連携した広域分散型クラウドによる教育データ・アーカイブやセキュリティ処理に関する検討を開始するなど、当初計画を越える現実に即した研究内容へと発展しており、研究開始当初としては順調な推移を見せていると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
地域無線LAN学習環境の開発では、緊急時対応のための衛星通信との連携および地域内中継システム等について実験も進める。遠隔映像対話環境「超鏡」や共有映像操作空間をクラウド環境で実現するシステム開発では、国際間遠隔教育実践等を対象とする。また、電子教材の開発改善に合わせて、言語や空間認知操作について能力分析を進める。オープンソース・ッールやソーシャルメディア等を活用した地域教材や個別学習教材については、開発実践を通してモデルの構築を図る。さらに、教授学習時の教師と学習者の協調活動過程を神経科学の観点から計測する試みを、装置開発と課題探索から継続し、客観的学習評価法に向けた検討を進める他、教育クラウド環境における分散アーカイブやセキュリティ処理について、学校や教育委員会等現場の状況に応じた検討や要素実験を進める予定である。
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