2012 Fiscal Year Annual Research Report
国際的な生涯学習コミュニティ構築のための学習コンテンツ共有・流通システムの研究
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23240110
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Research Institution | The Open University of Japan |
Principal Investigator |
山田 恒夫 放送大学, 教養学部, 教授 (70182540)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三輪 眞木子 放送大学, 教養学部, 教授 (90333541)
森本 容介 放送大学, 教養学部, 准教授 (00435702)
辻 靖彦 放送大学, 教養学部, 准教授 (10392292)
仲林 清 千葉工業大学, 情報科学部, 教授 (20462765)
梶田 将司 京都大学, 学術情報メディアセンター, 教授 (30273296)
小林 亜樹 工学院大学, 工学部, 准教授 (30323801)
小川 寿美子 名桜大学, 健康科学部, 教授 (20244303)
内海 成治 京都女子大学, 発達教育学部, 教授 (80283711)
山地 一禎 国立情報学研究所, 学術認証推進室, 准教授 (50373379)
赤堀 侃司 白鴎大学, 教育学部, 教授 (80143626)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 学習デジタルコンテンツ / 学習オブジェクト / メタデータ / 生涯学習 / 電子出版 / コンテンツ流通 / 教育の質保証 / MOOC |
Research Abstract |
2012年(平成24年)度はサブグループ(SG)ごとの課題を深化させることにしていたが、国外でMOOC(Massive Open Online Course、大規模公開オンラインコース)が急成長した。これが、大規模なスケールで高品質な教育を実現するということであり、本研究課題がめざした方向性と異なったため、若干の変更が必要となった。 【最適なコンテンツを発見利用できる高度な検索法SG】 品質においてMOOCが圧倒的な優位性を示すものになれば、検索システムの在り方も変わる。多様な生涯学習者に応じ最適コンテンツを構成するための素材・学習オブジェクトを発見利用できるという観点も加え、メタデータの構成や検索システムを目的に設計を開始した。 【学習コンテンツ配信流通サービスの質保証と標準化SG】 e ラーニングにおける多様な学習形態を統合的に支援し、機能拡張性とシステムの相互運用性を両立可能な学習支援システム構成法を検討した。生涯学習ログ基盤構築の前提となる、個人情報保護・プライバシーポリシーの収集を行った。 【無償/有償コンテンツ流通システムSG】 国内の電子出版や学習コンテンツ流通の動向を視野に入れ、電子ブックとLMSを同時に活用する流通システムについて調査した。一般的LMSのリポジトリと機関リポジトリとの相互運用性やLOM以外のデータモデルを採用しているリポジトリとの連携方法を調査し、NIIのメタデータ蓄積システムと連携するシステムの開発に着手した。【多言語多文化を尊重した地域対応化SG】 モデル領域として国際ボランティア教育を選び、構築した試験リポジトリを使用して、学習コンテンツおよびメタデータの蓄積を進めた。 【生涯学習のためのグローバルコミュニティSG】 国際的な学習者コミュニティを有する機関との共同プロジェクトを検討するため、OER Asia等と協力について意見交換を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
各研究グループとも、引き続き各国における先行研究・事例の収集、各国におけるニーズ調査、国際標準化の最新動向調査等調査研究については、予定通り達成できた。プロトタイプシステム・コンテンツの設計については、北米でのMOOCの活発化による影響が顕在化し、計画の変更を余儀なくされた。本研究でも、2013年2月、放送大学、九州大学、大学ICT推進協議会学術・教育コンテンツ共有流通部会(AXIES-csd)、Global Learning Object Brokered Exchange (GLOBE)、日本オープンコースウエアコンソーシアム(JOCW)に協力する形で、「MOOCs(Massive Open Online Courses) と電子図書館のための国際セミナー」を開催した。副次的な結果ではあるが、このセミナーも1つの契機となって、JMOOCの設立につながったとも評価できる。 「無償/有償コンテンツ流通システム(高度コンテンツ流通)」の国際共同研究では、カリフォルニア州立大学システムとの間で、Digital Marketplace の国際運用実験に関する共同研究を計画したが、流通の対象が学習オブジェクトよりもAPIツールに動いているため、新たな国際標準化の動き(IMS-Caliper、Tin-Can API)に着目している。
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Strategy for Future Research Activity |
2013年度は、引き続きMOOCsの最新動向にも配慮しながら、繰越分のプロトタイプシステムの開発および評価をすみやかに進める計画である。国内でも、海外でのMOOCsの流行を受けて、日本版MOOCを設立する機運が高まっている。本科研のメンバーは、学会や大学ICT利用推進機関等において中心的な役割を担うことから、研究期間の途中ではあるが、研究成果についてはこうした学協会のメンバー等と共有できるよう、研究成果の公開や公開研究会の開催を進めたい。 各システム開発においては、その持続性の観点等から、マッシュアップを活用したシステム構成や、特にグループ学習支援に向けたソーシャルネットワーキング機能の必要性が高く、こうした視点でのシステム構成の検討を進めたい。また、教育の質保証のため、その情報基盤であるeポートフォリオシステムの国際的な枠組みの中での開発・普及に関する研究を行う。新たな電子出版およびe-Learningの標準としてEDUPUBが出現しつつあることから、タブレット端末に対応した電子書籍型学習コンテンツを開発し、その評価を行いたい。
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Research Products
(23 results)