2013 Fiscal Year Annual Research Report
九州における対外交流文化財の保存と活用に向けた研究基盤の創設
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23240119
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Research Institution | Kyushu National Museum |
Principal Investigator |
伊藤 嘉章 独立行政法人国立文化財機構九州国立博物館, 学芸部, 研究員 (80213099)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三輪 嘉六 独立行政法人国立文化財機構九州国立博物館, 館長 (00222422)
赤司 善彦 福岡県立アジア文化交流センター, 展示課, 課長 (00446882)
今津 節生 独立行政法人国立文化財機構九州国立博物館, 学芸部・博物館科学課, 課長 (50250379)
谷 豊信 独立行政法人国立文化財機構九州国立博物館, 学芸部, 部長 (70171824)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 対外交流文化財 / 高精細大型スキャナ / 精密三次元計測器 / CTスキャナ / デジタルアーカイブ |
Research Abstract |
九州の特質とも言える外来文化の受容と展開における先進性や辺境性を示す文化財を対外交流文化財として位置づけ、東西南北4つの方向から流入した文化の中から代表的な事象を選んで調査を展開した。平成25年度は昨年度に引き続き北ルート(古代を中心とする大陸との交流)および西ルート(中世・近世を中心とするアジア・ヨーロッパとの交流)を中心に調査を展開した。特に、北ルートの起点となった福岡・対馬・壱岐および朝鮮半島・中国大陸の文化財、西ルートの中心となった長崎や佐賀・福岡と中国・東南アジア・西洋地域の文化財を中心に実物調査を実施した。さらに、現地調査した文化財を九州国立博物館に移動して、大型X線CT、精密三次元計測機、高精細大型スキャナなどの最新鋭のデジタル計測機器を活用した科学調査と文化財の健康診断調査を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
北ルートに関しては、唐津湾の加唐島を調査した。加唐島は武寧王生誕地として韓国内でも周知されている。そこで、島に伝わる伝承や文化財などを調査した。その成果を「加唐島に伝わる武寧王の生誕に関わる伝承」として、当館研究紀要に報告した。 西ルートに関しては、九州各地の社寺には中近世におけるアジアとの交流で伝来した文化財が所蔵されている。このような寺社が所蔵している文化財を調査し、必要に応じて九州国立博物館に移動してX線CTスキャナによる構造調査を実施した。その成果を「博物館研究におけるX線CTスキャナ活用の可能性」として当館研究紀要に報告した。また、日本と東南アジアの交流を物語る文化財の調査として、19世紀以前に九州に運ばれた東南アジアの仏像、工芸品等を調査し、東南アジア世界との文化交流の実相を浮かび上がらせた。その成果として、「安南日越外交文書集成」として当館紀要に報告した。 さらに、南蛮屏風や南蛮漆器をはじめ、近世初期における日本と海外との交流を物語る作品を調査した。①南蛮屏風が成立する前提となった唐船図、②初期の作品を中心とする南蛮屏風、③日本の屏風と関わりの深い西洋・中国の美術、④上記と関わりの深い南蛮漆器などを取り上げる。本研究を基に、日本の美術からの影響を受けた国内未公開の作品を紹介する計画である。
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Strategy for Future Research Activity |
科学調査の結果をふまえた実物調査を実施することにより、新たな研究基盤となるデジタルアーカイブを構築する。また海外の研究者にも情報を提供して情報の共有化をはかる。高精度の情報を網羅したデジタルアーカイブを新しい博物館情報として利用するために、展示・映像への活用を計画する。最終年度として報告書を作成する。
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Research Products
(4 results)