2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23241013
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
本多 牧生 独立行政法人海洋研究開発機構, 地球環境変動領域, チームリーダー (20359160)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笹岡 晃征 独立行政法人海洋研究開発機構, 地球環境変動領域, 技術専任スタッフ (20371148)
滝川 雅之 独立行政法人海洋研究開発機構, 地球環境変動領域, チームリーダー (30360754)
金谷 有剛 独立行政法人海洋研究開発機構, 地球環境変動領域, チームリーダー (60344305)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 生物ポンプ / エアロゾル / 海洋観測 / 大気観測 / 衛星観測 / 数値モデル / 西部北太平洋 |
Research Abstract |
(1.生物ポンプにおけるエアロゾルの役割の把握)西部北太平洋セジメントトラップによる沈降粒子中の生物起源・陸起源物質の季節変動の観測結果を、衛星データによるクロロフィル、エアロゾル光学的厚さデータ、及び数値モデルSPRINTARSによるエアロゾル降下量データとの比較解析を開始、陸起源物質供給による生態系を介した物質循環過程の変動を解析した。また後方散乱計による沈降粒子の光学的時系列観測を開始した。 (2.エアロゾル供給量の時空間変動の把握)大気から海洋への物質供給の時空間変動に関する知見を得るため、みらい航海にて、自然/産業起源エアロゾルの収集/化学分析、エアロゾル形状・蛍光測定を実施した。2.5ミクロンを境とした粗大・微小粒子別の微量金属分析等を行い、昨年度の洋上観測や、過去に得られた大陸等での観測データと合わせて解析した。K2点で見られたFe/Al比やV/Al比の異常から、黄砂だけでなく人為起源汚染の影響も広く外洋に広がっていることがわかった。 (3.エアロゾル供給量の変動予測)衛星データを用いて観測定点K2とS1付近におけるクロロフィルa濃度とエアロゾルの光学的厚さの時空間分布を動画で比較した結果、両者の変動パターンにはあまり良い関係が見られなかった。さらにエアロゾルの光学的厚さは他の衛星プロダクトやモデル結果と比較してもまだ大きな誤差が見られることが明らかとなった。全球エアロゾルモデルSPRINTARSを用いた2010年の通年計算を行い、炭素性エアロゾルおよび土壌性エアロゾル降下量と当該期間におけるS1およびK2での沈降粒子中陸起源物質濃度と比較するとともに、エアロゾルの光学的厚さを衛星観測と比較した。その結果、SPRINTARSモデルで推定された降下量はセジメントトラップデータと比較して過大評価傾向にあった。 また本プロジェクトの内容を紹介するウエブサイトを開設した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
海洋観測、大気観測は予定通り実施され、試料採取・データ解析は順調に実施されている。また衛星データの解析、大気モデルの構築の進捗状況も予定通りである。分析結果、解析結果の一部は学会で発表をしている。また本研究内容を紹介するウエブサイトも開設した。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き海洋観測・大気観測を実施し、より多くの観測データを収集するとともに、衛星データの解析、数値モデルの構築を推進する。成果は適宜、学会、論文、ウエブサイトで公表する。そして年度末に成果のとりまとめを行う。
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Research Products
(3 results)