2011 Fiscal Year Annual Research Report
ステークホルダー視点に基づく医療オペレーションズ・マネジメントと国際ベンチマーク
Project/Area Number |
23241048
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
伊藤 謙治 東京工業大学, 大学院・社会理工学研究科, 教授 (80159871)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青木 洋貴 東京工業大学, 大学院・社会理工学研究科, 准教授 (00322090)
秋葉 隆 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (70184108)
鈴木 聡 東京女子医科大学, 医学部, 臨床工学技士 (20586028)
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Keywords | オペレーションズ・マネジメント / パフォーマンス指標 / 医療ステークホルダー / 医療安全 / システマティック・レビュー / 患者視点 / 医療従事者視点 / 透析医療 |
Research Abstract |
本研究は医療業務の効果的管理を目指して、患者、医療従事者、マネジメント(効率・財務面を含む)および地域・社会という、医療のステークホルダーそれぞれの視点から統合的に、そして全体的な観点から、医療組織の管理にアプローチする医療オペレーションズ・マネジメント(Operations Management;以下OMと略す)の新たな技術基盤を構築することを目的とし、透析医療を対象に実際の施設での適用を可能とする実システムとして展開する。以下、本年度の主な研究成果を記述する。 (1)医療安全とOMの体系的整理:医療安全、OM、リスク管理、患者満足、従事者満足など、本研究に関連する幅広い内容について、PubMed等の医療系データベースを用いたシステマティック・レビューにより大規模な文献調査を行った。それとともに、これらの研究分野に関して国内外の有識者に対して関連研究の動向調査を行った結果、当該研究の現状における技術・理論、研究・技術課題、必要要件などが明らかになった。特に、医療組織の管理を定量的に測定可能なパフォーマンス指標に対して体系的な整理を行い、これを基礎とする医療OMシステムの基本的フレームワークを構築した。 (2)日本型医療オペレーションズ・マネジメントの策定:上述した(1)のフレームワークに基づき、医療OMに関連する現状と将来的なあり方について、患者、医療従事者、管理・運営(効率、安全、コストなどの業務プロセス)、および地域・社会の医療ステークホルダーそれぞれの観点から明らかにした。 (3)医療オペレーションズ・マネジメントに対するニーズ実態調査:日本の医療制度・システムに適合する医療OMの必要要件を明らかにするための調査票の開発、そして調査実施のための準備が終了した。調査の実施は来年度早々にも開始する。この調査では、医療OMに関連して施設内で保有しているデータとその使用状況、それぞれのデータの利用目的、有用性、獲得方式などから、日本型医療OMシステムの必要要件、基本的機能などが明らかとなる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画では、上述した(3)の調査は今年度内に実施している予定であったが、この部分は若干遅れている。その分、翌年度に計画していたOMシステムに対する必要要件の調査、透析医療に対する適用の具体的検討を実際の多く透析施設に対するインタビュー調査等により行い、研究全体の目的に対しては順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
まずは、準備が完了した「日本型医療OMシステムの必要要件」の大規模調査を早急に実施することが第一の推進課題である。その分析結果に従って、システム設計・開発を推進していく。交付申請書にも記述した「医療安全OM委員会」も当初の予定施設数を大幅に上回る施設が参加しており、多くの医療施設の協力が得られているので、今後の推進は予定通りに進展していくと判断している。
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Research Products
(19 results)