2012 Fiscal Year Annual Research Report
コンクリート構造物内部の空洞化及びコンクリート打設作業状況の音響映像診断技術開発
Project/Area Number |
23241050
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
浅田 昭 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (60323648)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
五十嵐 匡 独立行政法人土木研究所, 寒地土木研究所, 研究員 (00533415)
秋元 和實 熊本大学, 沿岸域環境科学教育研究センター, 准教授 (70222536)
前田 文孝 東京大学, 生産技術研究所, 特任助教 (80559930)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 港湾岸壁 / 空洞化 / コンクリート構造物 / 劣化診断 / パラメトリックソーナー / フォーカスプローブ |
Research Abstract |
港湾岸壁内部に空洞化が拡大し、遂には岸壁上面の路面が陥没、岸壁側面が崩壊する、また内部に空洞個所を持つ陸上の鉄筋コンクリート製の柱や壁が地震により崩壊する事故が多発している。この様なコンクリート構造物内部の空洞化状況を精度よく点検する手法、コンクリート打設作業の質を向上させるモニタリング手法、を開発するため、これまでの基礎研究成果を発展させ、実用レベルの技術開発を行ってきた。 (1)コンクリート打設上面の3次元的形状、特に鉄筋籠と内壁管を精密に可視化モニタリングするため、マルチビームソーナーを使い、+/-90度回転させながら作業状況を監視する音響モニタリングシステムを想定した計測試験を実施した。本試験データを解析して、モニタリング支援解析表示ソフトウエアを開発した。 (2)最適な音響パラメトリックフォーカスプローブの設計製造、音響映像解析法の研究のため、コンクリート構造物の深部1m以上を映像診断目標にして、音響映像解析法研究の試験を行い、コンクリート構造物内部を診断する最適な音響パラメトリックフォーカスプローブの設計製造を行った。また、鋭いビームを近距離で形成する手法を研究した。 (3) 港湾岸壁の計測試験、計測システムの設計、解析法の研究のため、製造した音響パラメトリックフォーカスプローブを使って、港湾岸壁の計測試験を行い、計測システムの設計、解析法の研究を実施する。空洞化した実際の岸壁、破損した、矢板岸壁の計測試験を実施してパワーアンプ、フォーカス距離を制御するシステムの設計を行った。 (4) 高分解能近接プローブの設計、パワーアンプ設計製造のため、プローブ、アンプ、受信記録器を使って、1m程度の近距離において、厚さ10mmの矢板鋼板、厚さ7cmのコンクリートブロック被写体を使い、高分解能の計測試験を実施し、構造物内の診断法の高度化研究を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(1)コンクリート打設上面の3次元的形状、特に鉄筋籠と内壁管を精密に可視化モニタリングするため、マルチビームソーナーを使い作業状況を監視する音響モニタリングシステムを想定した計測試験を実施、モニタリング支援解析表示ソフトウエアを開発した。 (2)最適な音響パラメトリックフォーカスプローブの設計製造、音響映像解析法の研究のため、コンクリート構造物の深部2m以上を映像診断目標にして、音響映像解析法研究の試験を行い、コンクリート構造物内部を診断する最適な音響パラメトリックフォーカスプローブの試験を行った。また、鋭いビームを近距離で形成する手法を研究した。 (3) 港湾岸壁の計測試験、計測システムの設計、解析法の研究のため、製造した音響パラメトリックフォーカスプローブを使って、港湾岸壁の計測試験を行い、計測システムの設計、解析法の研究を実施する。空洞化した実際の岸壁、破損した、矢板岸壁の計測試験を実施してパワーアンプ、フォーカス距離を制御するシステムの設計を行った。 (4) 高分解能近接プローブの設計、パワーアンプ設計製造のため、プローブ、アンプ、受信記録器を使って、1m程度の近距離において、厚さ25mmの矢板鋼板、厚さ7cmのコンクリートブロック被写体を使い、高分解能の計測試験を実施し、構造物内の診断法の高度化研究を実施した。 (5)水中で重要となる2次波を加速的に形成する画期的な手法を考案、開発した。
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Strategy for Future Research Activity |
試作したコンクリート構造物内部を診断する音響パラメトリックフォーカスプローブの改造を行い、コンクリート構造物内部を映像診断するための実用化研究を行う。また、これまで鋭い送波ビームを近距離で形成する手法を開発したが、受波ビームの指向性を絞ることによってS/Nを高める工夫を行う。音響パラメトリックフォーカスプローブを使って、港湾岸壁の計測試験を行い、計測システムの設計、解析法の研究を進展させる。空洞化した岸壁、破損した矢板岸壁などの計測試験を実施して実用的な解析ソフトウエアを開発する。構造物内の診断映像情報を解析し、空洞部分を鮮明化する3次元表示解析法を研究開発する。また、流氷による岸壁の劣化、損傷も危惧されることから、港湾内における流氷の挙動を計測する。陸上構造物の計測用に応用発展させるための工夫を行い、計測評価試験を実施する。コンクリート上面の3次元形状、特に鉄筋籠と内壁韓を精密に可視化モニタリングするため、マルチビームソーナーを使い、横一列のライン状に形状を計測し、+/-90度回転させながら作業状況を監視する音響モニタリングシステムを構築し、実用化技術に発展させる。地中にコンクリート打設する作業時、及び試験サイトにおいて、モニタリング試験を行い高品質の構造物を作る新工法の手掛かりを得るた めの基本研究を行う。
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Research Products
(5 results)