2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23242005
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
森 雅秀 金沢大学, 人間科学系, 教授 (90230078)
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Research Abstract |
本研究では研究期間全体を(1)儀礼情報の収集と公開、(2)儀礼に関する理論的枠組みの構築、(3)儀礼の伝承と変容の解明、(4)仏教と異宗教との交渉に関する研究、(6)研究全体のとりまとめと公開という5つのステージにわけ、それぞれを複数年度にわたって段階的に進める。平成23年度は第1ステージ「儀礼情報の収集と公開」と第2ステージ「儀礼に関する理論的枠組みの構築」を重点的に行った。 第1回の全体研究集会を金沢大学において行った。研究代表者と連携研究者全員が参加し、研究期間全体の研究方針と研究計画とについて討議を行ったうえで、「儀礼に関する理論的枠組みの構築」に関して、連携研究者の西本陽一(金沢大学教授)による「文化人類学における儀礼研究の現在」、「儀礼情報の収集と公開」に関して、高田良宏(金沢大学准教授)による「非文献資料のためのリポジトリ構築に関する取り組み」という2件の研究発表を行った。 平成23年11月には、アジアの宗教儀礼の中でも最も重要な位置を占める「灌頂」についてのシンポジウムを金沢大学において開催した。連携研究者を含む17人の研究発表が行われ、インドにおける灌頂の成立と、アジア全域への伝播と変容について、きわめて密度の濃い研究発表と議論が行われ、関係学界から大きな注目を集めた。現在、その成果をとりまとめ、刊行の準備を進めている。 「儀礼情報の収集と公開」の具体的作業としては、インドの儀礼や美術に関する画像データのデジタル化とデータベース化をすすめた。その成果として、Asian Iconographic Resources Monograph Sehesの第2~4巻の3冊を刊行した。デジタルデータについてはインターネット上での公開のための作業を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画どおり、5つの項目の第1,第2項目について、順調に研究を進めている。シンポジウムの開催を通して、関係する研究者に研究活動が周知され、学会全体の関心を集めることができた。今後の研究活動の活性化にもつながることが期待される。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画に記載したプロセスにしたがって、問査・研究を進めていく予定である。シンポジウムの成果刊行が平成24年度中に予定されているため、その成果をふまえ、研究組織や研究対象の再検討も、必要に応じて行っていきたい。
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Research Products
(6 results)