2011 Fiscal Year Annual Research Report
パルテノン神殿の造営目的に関する美術史的研究-オリエント美術の受容と再創造の検証
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23242011
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
長田 年弘 筑波大学, 芸術系, 准教授 (10294472)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水田 徹 東京学芸大学, 教育学部, 名誉教授 (30055917)
篠塚 千恵子 武蔵野美術大学, 造形学部, 教授 (80279801)
渡辺 千香子 大阪学院大学, 国際学部, 准教授 (40290233)
櫻井 万里子 東京大学, 人文社会系研究科, 名誉教授 (90011329)
布施 英利 東京芸術大学, 美術学部, 准教授 (10229081)
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Keywords | 古代ギリシア / ギリシア神話 / 古代ギリシア史 / 彫刻 / 考古学 / パルテノン / 大英博物館 / 浮彫 |
Research Abstract |
本研究課題は、筆者が代表を務めた平成17-19年度科研費基盤研究(A)「パルテノン神殿の造営目的に関する美術史的研究―アジアの視座から見たギリシア美術」の目的を継承しつつ再構築する。(1)新しくオリエント美術の研究者を分担者に加え、東方美術がパルテノン彫刻に与えた影響について再検証する。古典期アテナイ美術におけるオリエント文化受容について解明する。古代東方とギリシアの、民族戦争に関する美術についての研究を深め、海外研究者との連携を発展させる。パルテノン彫刻をめぐる閉塞的な研究状況に対して、新しい問題提起を行う。(2)平成21年開館の新アクロポリス美術館の彫刻群を重点的な対象とし、撮影と調査を完了させることを目的とする。 平成24年1月には、筑波大学芸術系において、国際シンポジウム「古代ギリシア、ローマの祭礼と美術に関する考察」を開催し、坂田道生(研究協力者)、Kenneth Lapatin博士(ジャン・ポール・ゲッティ美術館)、Marina Belozerskaya博士(ジャン・ポール・ゲッティ美術館)による研究発表と講演を実施した。 平成24年2月に、大英博物館において中村るい、師尾晶子、高橋翔(共に研究協力者)と共に、大英博物館学芸員I.Jenkins博士と協議し、平成24年秋期に、大英博物館のパルテノン彫刻室隣室において教育展示Parthenon Nowの一環として、本研究課題の研究成果に関して展示を行う計画を進めた。同年2月から3月にかけて、長田、坂田、田中咲子(研究協力者)その他筑波大学大学院生と共に、W.Wohlmayr教授(ザルツブルグ大学)の協力により、ザルツブルグ大学において学生セミナーを開催した。同年3月には、長田年弘(研究代表者)、木村宏、渡辺千香子、櫻井万里子(以上研究分担者)、師尾晶子、中村義孝、仏山輝美、大原央聡、佐野好則(以上研究協力者)が、大英博物館において共同調査を行った。続いて、長田、木村、中村、仏山、大原の5名は、新アクロポリス美術館、デルフォイ考古博物館、オリンピア考古学博物館において関連調査を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究目的を達成するために、筑波大学における国際シンポジウムと英国、ギリシア共和国における共同調査を実施した。平成24年度に、大英博物館において研究成果ディスプレイを実施することにより、研究と教育の進展を期待しうる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24-26年度に、大英博物館(ロンドン)および新アクロポリス美術館(ギリシア)における共同調査を実施する。平成24年秋期に、大英博物館における研究成果ディスプレイを行う。また主に筑波大学芸術系と東京芸術大学芸術解剖学研究室が連携し、大英博物館およびギリシア第一エフォリア(考古監督庁)の協力も得て、パルテノン・フリーズ東面祭礼行列の立体モデル制作とCG制作を計画どおり推進する。美術史学と歴史学、CGデザイン、美術解剖学、彫塑・洋画制作の専門家の携わる総合的研究を試みる。ザルツブルグ大学古典考古学研究所と連携し、民族戦争に関する古代ギリシア・ローマ美術研究を推進する。
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Research Products
(23 results)