2011 Fiscal Year Annual Research Report
アーツ・アンド・クラフツと民藝-ウィリアム・モリスと柳宗悦を中心に-
Project/Area Number |
23242014
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
藤田 治彦 大阪大学, 文学研究科, 教授 (00173435)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川端 康雄 日本女子大学, 文学部, 教授 (80214683)
川島 智生 京都華頂大学, 現代家政学部, 教授 (60534360)
濱田 琢司 南山大学, 人文学部, 准教授 (70346287)
吉村 典子 宮城学院女子大学, 学芸学部, 准教授 (20347917)
橋本 順光 大阪大学, 文学研究科, 准教授 (80334613)
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Keywords | アーツ・アンド・クラフツ運動 / 民藝運動 / ウィリアム・モリス / 柳宗悦 / デザイン / アジア |
Research Abstract |
平成23年度は本科研「アーツ・アンド・クラフツと民藝」の初年度であり、先ず分担研究者、連携研究者間の連絡と調整および研究協力者その他の関係者との研究協力体制の確立に力を入れた。平成23年6月18日に、藝術学関連学会連合第6回公開シンポジウム「アートとデザイン-その分離と融合-」を本科研の共催で、大阪大学で開催した。藤田治彦(研究代表者)が「アートとデザイン:歴史的展望」、竹内有子(研究協力者)が「19世紀英国に見るアートとデザイン」と題してパネリスト発表を行った。それに先立ち、分担研究者による第1回研究会を大阪大学で開催した。このシンポジウムは、研究代表者が意匠学会を代表して、日本デザイン学会の委員とともに企画したもので、本科研がその実現に貢献するとともに、本科研にとって重要な知見を得ることができ、非常に有意義であった。 第2回研究会は平成24年3月16日に南山大学で開催され、橋本順光、濱田琢司、川島智生が研究発表を、その他の分担研究者が研究報告を行った。A・レイモンド設計の南山大学のキャンパスと校舎、ならびに名古屋市内の民藝運動に関わる建築物を見学し、実際の作例に触れて研究代表者と研究分担者が直接意見を交換する、貴重な機会となった。第1回研究会と第2回研究会の間の時期に、研究代表者と分担研究者がさまざまな国内調査および海外調査を行った。藤田治彦、川端康雄、横山千晶、濱田琢司はイギリスで海外調査を行った。藤田治彦がロンドンのヴィクトリア・アンド・アルバート美術館で、吉村典子が吹田市の国立民族学博物館で、それぞれ関連研究の口頭発表を行った。 川島智生が関連研究を単著『近代奈良の追建築家・岩暗平太郎の仕事-武田五一・亀岡末吉とともに-』(淡交社)として刊行した。鈴木禎宏、濱田琢司他著『<民藝>のレッスンつたなさの技法』(フィルムアート社)等の共著のかたちでも関連研究が発表された。分担研究者が学会、誌や大学の研究会誌に関連論文を発表した。その他の分担研究者も、本研究の目的と実施計画を踏まえて、順調に研究を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究代表者、研究分担者、ならびに研究協力者は各自の関連研究を進め、口頭発表や論文のかたちで、関連研究の発表を行っている。また、2度の研究会を大阪と名古屋で開催し、藝術学関連学会連合シンポジウム「アートとデザイン」を共催するなどして、.共同研究の推進と周知にも努めている。その意味では、当初の計画以上に進展しているところがあるが、当初の年度計画の枠内では不十分な点もあり、4年間の計画全体から見れば、おおむね順調に進展している、というのが自己点検による評価である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度は「アーツ・アンド・クラフツ運動のアジアへの影響」を年間テーマに研究を推進する。平成24年9月23日に、「都市のアーツ・アンド・クラフツ」と題して、大阪大学で国際シンポジウムと第3回研究会を関催する。平成24年度末には慶應義塾大学で、第4回研究会を開催する予定である。平成25年度は、平成24年度とは逆に、「民藝運動の海外への影響」を年間テーマに研究を推進し、平成26年度に研究全体を総括する。平成24年9月の大阪大学での国際シンポジウムが開催効果大であることがわかれば、日本国内での国際研究会を重視して行く予定である。
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