2012 Fiscal Year Annual Research Report
編集文献学に関する総合的研究―日本の人文学における批判的継承をめざして―
Project/Area Number |
23242016
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
明星 聖子 埼玉大学, 教養学部, 教授 (90312909)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 隆美 慶應義塾大学, 文学部, 教授 (50190476)
中谷 崇 横浜市立大学, 国際総合科学部, 准教授 (50264669)
納富 信留 慶應義塾大学, 文学部, 教授 (50294848)
矢羽々 崇 獨協大学, 外国語学部, 教授 (60265361)
伊藤 博明 埼玉大学, 教養学部, 教授 (70184679)
PEKAR Thomas 学習院大学, 文学部, 教授 (70337905)
武井 和人 埼玉大学, 教養学部, 教授 (80154962)
黒田 彰 佛教大学, 文学部, 教授 (80178136)
近藤 成一 東京大学, 史料編さん所, 教授 (90153717)
宗像 和重 早稲田大学, 政治経済学術院, 教授 (90157727)
北島 玲子 上智大学, 文学部, 教授 (10204893)
W Christian 京都大学, 人文科学研究所, 教授 (20333560)
杉浦 晋 埼玉大学, 教養学部, 教授 (90235870)
松原 良輔 埼玉大学, 教養学部, 教授 (30239074)
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Project Period (FY) |
2011-11-18 – 2016-03-31
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Keywords | 文献学 / 資料 / 人文学 / 編集 / 文学 |
Research Abstract |
近年欧米で盛んに議論されている編集文献学をいかに日本の人文学に批判的に受容するかを学際的に探る本プロジェクトは、2年目にあたる本年も、前年度を踏襲し、以下の課題ごとに4班に分けて、班単位での検討を進めた。A班=近現代文学作品のための編集文献学理論の変遷、B班=19世紀におけるドイツ文献学の体系化、C班=ヨーロッパ各地の中世学、古典学におけるドイツ文献学の影響、D班=日本における「文献学」の受容と文学研究制度の発展。本年の研究会については、ただし、昨年のような班単位にはせず、全体の成員が集まるかたちで、以下のとおり計4回実施した。2012年7月23日に埼玉大学にて、7月23日に埼玉大学にて、8月1日に慶應義塾大学にて、2013年3月1日に埼玉大学にて。また、3月27日には、京都の西本願寺聞法会館にて、年度末のまとめの研究会と次年度に向けての打ち合わせをおこなうとともに、同日と翌28日にかけて、龍谷大学図書館および陽明文庫で資料調査および研修も実施した。 さらに、昨年に引き続き、メンバーそれぞれが国内外の関連学会で研究発表をおこない、積極的な成果発信に努めた。 また、8月には代表者がドイツの編集文献学会会長のボード・プラハタ教授のもとを訪れ、ドイツと日本の当該分野をめぐる状況について、有意義な意見交換をおこなった。 なお、学際的なプロジェクトを効率的に進めるための情報システムも基本的部分の構築が済まされ、成員相互の情報共有に活用が始められている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまで2年間の研究で、日本の人文学における文献学領域に関わる基本的な問題については、成員全員がおおむね把握できるに至った。その成果は、すでに日本の人文系の学術状況に重要な貢献を果たすレベルに達していると判断しており、次年度からは、その貢献をできるだけ早く現実化するために、書籍制作の実務に入ることをメンバー全員で了解している。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、これまで2年間の研究に基づき、第一段階の成果公開としての書籍を制作することを目指す。その書籍の構成(外国編と日本編)を反映させて、4班体制から2班体制へ組織を再編する。当面は、日本班と外国班に分かれて、代表的テクストの編集史を検討し、各国の人文学の文献学について理解を深めて、それぞれについて概説をまとめる。こうした活動と並行して、従来どおりの次の基礎的な活動も継続していく。 (1)基礎文献資料の収集 翻訳。:収集、選定した資料については、翻訳やレジュメの作成を順次進める。 (2)海外の研究拠点での調査および意見交換。:調査や意見交換に加えて、当該分野の会議参加や成果発表も積極的におこなう。 (3)共同研究推進のためのシステムの開発。:昨年度すでに開発し活用を始めている研究用システムについて、さらなる改良をおこなう。
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