2014 Fiscal Year Annual Research Report
編集文献学に関する総合的研究―日本の人文学における批判的継承をめざして―
Project/Area Number |
23242016
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
明星 聖子 埼玉大学, 教養学部, 教授 (90312909)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北島 玲子 上智大学, 文学部, 教授 (10204893)
WITTERN C. 京都大学, 人文科学研究所, 教授 (20333560)
松原 良輔 埼玉大学, 教養学部, 教授 (30239074)
松田 隆美 慶應義塾大学, 文学部, 教授 (50190476)
中谷 崇 横浜市立大学, その他の研究科, 准教授 (50264669)
納富 信留 慶應義塾大学, 文学部, 教授 (50294848)
矢羽々 崇 獨協大学, 外国語学部, 教授 (60265361)
伊藤 博明 埼玉大学, 教養学部, 教授 (70184679)
PEKAR Thomas 学習院大学, 文学部, 教授 (70337905)
武井 和人 埼玉大学, 教養学部, 教授 (80154962)
黒田 彰 佛教大学, 文学部, 教授 (80178136)
近藤 成一 東京大学, 史料編纂所, 教授 (90153717)
宗像 和重 早稲田大学, 政治経済学術院, 教授 (90157727)
杉浦 晋 埼玉大学, 教養学部, 教授 (90235870)
井出 新 慶應義塾大学, 文学部, 教授 (30193460)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 文献学 / 資料 / 人文学 / 編集 / 文学 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年欧米で盛んに議論されている編集文献学をいかに日本の人文学に批判的に受容するかを学際的に探る本プロジェクトは、4年めにあたる本年度は、これまでのまとめとして、書籍の制作を本格化させ、さらには海外から代表的研究者を招いて国際シンポジウムも開催した。プロジェクトメンバーの集まる研究会は、以下のとおり計5回実施した。2014年6月21日(上智大学にて)、7月14日、9月10日、11月22日、12月26日(いずれも埼玉大学にて)。またこれら以外に書籍制作のためのミーティングも、6月30日(埼玉大学にて)、10月18日(上智大学にて)と2回おこなった。このように頻回の議論を重ねた結果、書籍の原稿の執筆は順調に進み、来年度中には刊行できる予定である。また、これに加えて、2015年3月17日、18日には、アメリカからピーター・シリングスバーク名誉教授(ロヨラ大学)、ドイツからブルクハルト・デードナー名誉教授(マールブルク大学)の2名を招聘して、国際ワークショップ(埼玉大学にて)及びシンポジウム(慶應義塾大学にて)も開催した。3月17日のワークショップは「日本における<文献学>の受容と展開」をテーマに、プロジェクトメンバーのなかでも日本文学、日本史を専門とする者たちが、日本における文献学の受容の歴史をめぐる発表をおこない、今後の展開について具体的かつ実践的な議論を活発に交わした。また3月18日の一般にも公開されたシンポジウムでは、「編集文献学の理論と実践」をテーマに、招聘研究者からの実例紹介を中心に、西洋における編集文献学の現状が検討された。 なお、こうした研究会全体としての活動以外に、プロジェクトメンバーは個々に、学術誌での論文発表や国内外の学会での研究発表、また書籍の項目執筆等の成果発信を順調に重ねている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
最終年度の前の4年めにして、すでに成果としての書籍の原稿がほぼ書き終わっていることは、きわめて順調な推移といえる。さらに、海外からの研究者を招いて、国際ワークショップ及びシンポジウムを開催できたことも、十分な成果といえるだろう。また、プロジェクトメンバー各自の、個々の研究活動も非常に充実していて、さまざまな業績に結実している。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度にあたる今年度は、これまでの研究を具体的な成果にまとめて公表することを目指す。具体的には次の2つの形態として実現していく予定である。 ① 書籍の制作 2年前より西洋篇と日本篇の2冊の書籍を制作するべく、それぞれ担当を決めて検討にあたっている。そのうち西洋篇については、研究発表を重ねた成果をまとめた第一稿がほぼ出そろっている(各章では、代表的テクストの編集史が簡潔に紹介され、各地の編集理論が概説されている)。西洋篇の担当者は、今年度は各章間の注釈やレファランスの調整に努めて、精度の高い完成を目指す予定である。また、日本篇についても、昨年度末のワークショップで発表した内容をもとに各担当者が原稿の執筆を開始し、研究会ごとに相互に検討を加えブラッシュアップをはかるつもりである。 ②国際シンポジウムの開催と成果発表 昨年度すでに海外から研究者を招いて、小規模ではあるのもののワークショップとシンポジウムを実現した。今年度はそこでの検討をふまえて、さらに規模を大きくした国際シンポジウムを開催し、これまでの成果を発表する。またそこでは、今回のプロジェクトを次の段階へいかに発展させるかの議論も交わして、来年度以降の新たな取り組みを具体的にスタートさせていく。 なお、こうしたまとめの活動と並行しながら、着実な展開のための基礎的作業として、文献資料の収集や翻訳、海外研究拠点や学会での調査や意見交換も、引き続き積極的におこなっていく予定である。
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Research Products
(45 results)