2012 Fiscal Year Annual Research Report
汎用的日本語学習辞書開発データベース構築とその基盤形成のための研究
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23242026
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
砂川 有里子 筑波大学, 人文社会系, 教授 (40179289)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
BEKES Andrej 筑波大学, 人文社会系, 教授 (30599519)
井上 優 麗澤大学, 外国語学部, 教授 (30213177)
今井 新悟 筑波大学, 人文社会系, 教授 (50346582)
小野 正樹 筑波大学, 人文社会系, 准教授 (10302340)
迫田 久美子 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 日本語教育研究・情報センター, 教授 (80284131)
杉本 武 筑波大学, 人文社会系, 教授 (70196749)
千葉 庄寿 麗澤大学, 外国語学部, 教授 (70337723)
松崎 寛 筑波大学, 人文社会系, 准教授 (10250648)
簗島 史恵 政策研究大学院大学, 政策研究科, 客員教授 (40401723)
山内 博之 実践女子大学, 文学部, 教授 (20252942)
李 在鎬 筑波大学, 人文社会系, 准教授 (20450695)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 日本語学習辞書 / 日本語教育 / 辞書編集支援 / データベース / 二言語辞書 / 母語話者コーパス / 学習者コーパス / 語法研究 |
Research Abstract |
世界各国の現地語と日本語とによる二言語日本語学習辞書の開発を支援するための「汎用的日本語学習辞書開発データベース」の構築と,その基盤形成のための研究を目標として,本年度は平成24年度に作成した汎用的日本語教育用語彙リストのさらなる拡充を行なった。 具体的には, ①汎用的日本語教育用語彙リストに58語を新規追加してレベル付与および意味情報の追加を行なった。それにより語彙リストの項目数は合計18,010語となった。さらにアクセント情報の付与,レベル名称の変更,B1レベルを中心に約8500例の用例追加,表記情報の見直しを行なった。 ②コロケーション情報の雛形を検討・作成した。そして,汎用的日本語教育用語彙リストからA1,A2,B1の動詞を抽出し,各動詞のコロケーションを,コーパスを利用して頻度数をまとめ,必須格などの構文によってまとめた。 ③文化情報をどの項目に入れるか検討を進め,現在は日本語研修参加者のポートフォリオから項目を抽出してデータ化する作業段階に入っている。 今年度は,2回の全体研究集会,3回の分担者会議,各班による会議を実施し,研究打ち合わせを重ねる事により,上記の成果を得る事ができた。また,マレーシアにて国際研究集会を開催して進捗状況報告を行うとともに,アジア各国の辞書使用状況についての調査報告を受けて意見交換を行なった。それにより,より現場のニーズに即したデータベースを構築するための貴重な示唆を得る事ができた。またこの他に,Lago言語研究所代表の赤瀬川史朗氏を招いてのオンラインコーパス検索ツール講習会も開催し,今後コーパスを使用したデータベース構築とその基礎研究を進めていく上で重要となる知見を得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
汎用的日本語教育用語彙リストの見出し語に語義と用例を加える作業を当初の計画以上に進展させた。マレーシアで国際会議を開催し、アジア各国での辞書使用状況についての意見交換を行ったことにより、データベースの基本設計についての検討が進展した。コロケーション情報の雛形を検討し、A1からB1レベルの動詞についてコーパスを活用した頻度調査を行うなど、当初の計画以上の進展があった。また、当初は実質語に関わる見出し語だけを扱う予定であったが、他の研究プロジェクトとの連携が可能になったことにより、機能語の見出し語についてもリストに加える可能性が開けた。これらのことから全体的には(1)と判定する。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度の課題としては以下が挙げられる。 ①「汎用的日本語学習辞書開発データベース」完成後の活用方法について検討し,その基本方針を決定する。 ②機能語の語彙リストを加える作業方針を検討・実施する。また,日本語教育で問題となる類義語のリスト化および各項目の記述と平行して、データベースへの掲載方法の検討を行う。さらに,どのような文法情報・音声情報が必要とされるかを検討し、搭載する情報の種類とその記述方法についての方針を立てる。 ③国内での全体会議を開催し、各班の研究内容の発表と情報共有を行う。また,海外で国際シンポジウムを行い、海外の協力者を交えてデータベースの基本構造についての検討、二言語学習辞書開発の現状把握、二言語学習辞書開発のための研究発表などを行う。
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Research Products
(47 results)