2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23242037
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山本 博文 東京大学, 大学院・情報学環, 教授 (80158302)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀 新 共立女子大学, 文芸学部, 教授 (80296524)
金子 拓 東京大学, 史料編纂所, 助教 (10302655)
佐島 顕子 福岡女学院大学, 人文学部, 准教授 (40225173)
福留 真紀 長崎大学, 教育学部, 准教授 (60549517)
福田 千鶴 九州産業大学, 国際文化学部, 教授 (10260001)
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Keywords | 江戸幕府法令 / 幕府人事 / 朝幕関係 / 豊臣政権 / 奉行人 / 藩法 / 幕府官僚制 / 御触書 |
Research Abstract |
本研究の目的は、近世の政治に一貫した「政策基調」があったのか、あったとすればどの部署が管轄していたのかを検討することを主な目的としている。そのため、江戸幕府の人事については、江戸時代を通じた人事情報を把握する必要がある。この課題を実現するため、今年度は幕臣の系譜史料である『寛政重修諸家譜』の索引データベースを作成した。これによって、幕府役人について迅速な調査が可能になった。幕府法令については、『御触書集成』のデータベース化を進めている。幕府法令は、『御触書集成』が幕府主体で作成された最も網羅的な史料集であるが、脱漏もあることから、他の法令関係史料との対照も必要である。今年度はその基礎的な作業に着手し、来年度以降も継続する予定である。豊臣政権については、豊臣秀吉朱印状の全国的な調査を計画し、段階的に実現している。また、法令発布の場としての大坂城に注目し、オーストリア・グラーツ市のエッゲンベルク城の壁画として残された「豊臣期大坂城図屏風」の調査を行った。また、膨大に残る豊臣秀吉文書の中から法令関係史料を抽出し、データベース化する計画を立案している。朝幕関係については、『天皇・皇族実録』のうち、織豊政権期に相当する部分の綱文データベースの作成を進めている。幕府の法令伝達については、幕府から尾張藩への法令伝達の役目を果たしていた「城附き」に関する分析を始めている。史料調査については、平戸の松浦歴史博物館、長崎県立図書館、名古屋市の蓬左文庫、奈良県の天理図書館、広島県福山市の広島県立博物館などに出張し、近世法令関係史料を調査した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
江戸幕府の人事記録として有効な史料である『寛政重修諸家譜』のデータベース化が完成し、次年度以降の研究の基礎条件ができた。また、『御触書集成』による江戸幕府法令のデータベース化は順調に進んでいる。豊臣政権期の法令もデータベースの作成を進めており、おおむね順調に進展していると評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
江戸幕府法令については、『御触書集成』だけでなく、『徳川禁令考』などとの対照を行い、幕府の政策基調をさぐる素材とする。これによって、個別の政策・法令と立案者との関係を探るケーススタディを行う。朝幕関係については、『天皇皇族実録』のうち、織田・豊臣政権期のデータベースも作成を継続する。幕府法と藩法の関係などのテーマでは、さらに分析を進め、論文の作成を行う。豊臣政権期については、重点的に史料調査を行う。
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Research Products
(4 results)