Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢ケ崎 典隆 日本大学, 文理学部, 教授 (30166475)
加賀美 雅弘 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (60185709)
根田 克彦 奈良教育大学, 教育学部, 教授 (50192258)
吉田 道代 摂南大学, 外国語学部, 講師 (40368395)
片岡 博美 近畿大学, 経済学, 准教授 (70432226)
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Research Abstract |
本研究は,海外の主要な国々において,エスニック・コンフリクトの事例についてフィールドワークを中心に分析し,それらの経験をもとに,日本国内における外国人集住地域において生起するエスニック・コンフリクトへの対処方法を探り,その解決方法を提言することを目的としている。本年度,各メンバーはこの目的を達成するために,以下のような研究を遂行した。 研究代表者である山下は,日本および世界各地に関する華人社会について資料収集を行なうとともに,スペイン・ポルトガルにおいて新華僑の集住形態について調査した。矢ケ崎は,アメリカ合衆国,特にカリフォルニアの日系人社会に関する資料収集を行なった。加賀美は,ドイツのデュッセルドルフにおける日本人および中国人のエスニックタウンについて調査した。根田は,イギリスのノッティンガム市において,特にパキスタン・バングラディシュ系などのエスニック・ビジネスについて調査した。吉田は,オーストラリアのアデレードにおいて,難民受け入れ状況に関する調査を行なった。片岡は,静岡県浜松市におけるブラジル人のエスニック・ビジネスについて調査を進めた。大石は,カナダのオタワおよびウィニペグにおいて,関連資料を収集し,フランス語系コミュニティを対象とするエスニック・コンフリクトについて調査を実施した。荒又は,フランスにおけるエスニック・コンフリクトに関する資料収集を行なった。福本は,大阪市生野区のコリアン集住地区において集住状況の変化に関する調査を行なった。 本年度は,各メンバーのフィールドワークにより,具体的な状況を把握することができるデータを蓄積することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究計画の採択が内定して,すぐに研究会を開催したため,本研究全体の最終目的の確認,および共通の問題意識を持つことができ,各メンバーの役割分担を明確化することができた。その後,各メンバーは現地調査に取り組んでいるが,初年度の研究としては,おおむね順調に遂行できており,次年度以降の研究成果が期待できる。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は4年の計画であり,1年目が終了したが,今後は,各メンバーがそれぞれの調査対象地域において,エスニック・コンフリクトに関するインテンシブなフィールドワークを重ねることが最も重視される。2年目にあたる本年度は,フィールドワークに基づく成果を持ち寄り,開催する研究会において,検討・意見交換を行ないながら研究を深めていく予定である。海外におけるエスニック・コンフリクトの事例を考慮しながら,日本国内における外国人集住地域で発生している社会的問題についても考察を進めていくつもりである。
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