2012 Fiscal Year Annual Research Report
日本社会の多民族化に向けたエスニック・コンフリクトに関する応用地理学的研究
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23242052
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
山下 清海 筑波大学, 生命環境系, 教授 (00166662)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢ケ崎 典隆 日本大学, 文理学部, 教授 (30166475)
加賀美 雅弘 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (60185709)
根田 克彦 奈良教育大学, 教育学部, 教授 (50192258)
吉田 道代 摂南大学, 外国語学部, 講師 (40368395)
片岡 博美 近畿大学, 経済学部, 准教授 (70432226)
大石 太郎 関西学院大学, 国際学部, 准教授 (70433092)
荒又 美陽 恵泉女学園大学, 人文学部, 准教授 (60409810)
福本 拓 宮崎産業経営大学, 法学部, 講師 (50456810)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | エスニック地理学 / エスニック集団 / エスニック・コンフリクト / 移民 / 多民族化 / 外国人 / エスニック・ビジネス / エスニシティ |
Research Abstract |
本研究は,海外の主要な国々において,エスニック・コンフリクトの事例についてフィールドワークを中心に分析し,それらの経験をもとに,日本国内における外国人集住地域において生起するエスニック・コンフリクトへの対処方法を探り,その解決方法を提言することを目的としている。本年度,各メンバーはこの目的を達成するために,以下のような研究を遂行した。 研究代表者である山下清海は,池袋チャイナタウン・横浜中華街をはじめとする日本各地において,およびイギリスにおいて,新華僑,チャイナタウンについて現地調査をおこなった。矢ケ崎典隆はアメリカ合衆国の日系人コミュニティについて,加賀美雅弘はドイツにおいてアジア系コミュニティについて,根田克彦はイギリスのアジア系コミュニティについて,吉田道代はオーストラリアにおいて難民受け入れ状況について,片岡博美は静岡県浜松市におけるブラジル人のエスニック・ビジネスについて,大石太郎はカナダのフランス系住民について,荒又美陽はフランスにおけるエスニック・コンフリクトについて,そして福本 拓は,大阪市のコリアン・コミュニティおよび三重県のブラジル人コミュニティについて,それぞれ現地調査を実施した。 研究会を開催して,各メンバーの研究成果を発表するとともに,相互に意見・情報の交換を行ない,次年度の研究計画を策定した。本年度は,海外および日本におけるエスニック集団がホスト社会の中でどのようなコミュニティを形成してきたか,また彼らの経済・社会活動の情況が明らかになってきた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでの研究で,アメリカ,カナダ,フランス,イギリス,オーストラリアのエスニック・コンフリクトの状況が明らかになり,また,日本ではコリアン,ブラジル人の事例のデータを蓄積することができた。 本研究のメンバーは,それぞれがこれまでに調査対象地域において豊富なフィールドワークの経験を有しているために,関連情報・データの収集および現地調査の成果において,おおむね順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は4年の計画で進めており,2年が経過した。世界各地および日本のエスニック・コンフリクトに関する実態は,しだいに明らかになってきた。しかし,本研究では,海外におけるエスニック・コンフリクトの事例を考慮しながら,日本国内における外国人集住地域で発生している社会的問題についても考察し,エスニック・コンフリクトの解決に向けての方策について議論することを重視している。 今後は,メンバー全員が集まる研究会を開催し,上記の議論を深めるつもりである。また,日本地理学会学術大会において,本研究テーマに関するシンポジウムの開催も予定している。
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Research Products
(21 results)