2011 Fiscal Year Annual Research Report
日米特殊関係による東アジア地域再編の政治経済史研究
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23243026
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
増田 知子 名古屋大学, 法学研究科, 教授 (10183104)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡崎 哲二 東京大学, 経済学研究科, 教授 (90183029)
井口 治夫 名古屋大学, 環境学研究科, 教授 (80288604)
浅野 豊美 中京大学, 国際教養学部, 教授 (60308244)
山田 敦 名古屋市立大学, 人間文化研究科, 教授 (80322767)
池田 慎太郎 広島市立大学, 国際教養学部, 准教授 (80364107)
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Keywords | 日米特殊関係 / 戦後国際秩序構想 / 戦後金融・為替政策 / 戦後賠償と援助 / 米台関係 / ノッター / 木内信胤 / ヨーロッパ賠償問題 |
Research Abstract |
第二次世界大戦中の戦後計画の立案過程で、連合国側は、武装解除され安全保障コストを負担しなくなる旧枢軸国が、かえって有利に経済発展を進めかねない矛盾に直面していた。懲罰的賠償放棄に代わって、「世界平和維持費用」をいかに負担させるのかという問題が、冷戦下でいかなる形で展開し、政治と経済に跨がるような、いかなる内実をもった特殊な日米関係を生み出したのかを検証することが、本研究の主たる目的である。11月末の追加採択後、直ちに初年度の研究計画を確定し、資料収集体制を確認し、2月に全体研究会(名古屋大学)を行った。資料収集体制の拠点は名古屋大学に置くこととし、国立国会図書館憲政資料室所蔵の木内信胤文書のマイクロフィルム撮影および名古屋大学法情報センターのHP上での同文書のデータ・ベース公開に向けた所蔵計画について、国立国会図書館の協力を得られることとなった。さらに、第二次大戦中に作成されたアメリカの戦後構想を解明するための重要資料であるノッター・ファイルの購入に踏み切り、マイクロフィッシュのPDF化作業を開始することとなった。これらと並行して、個別研究テーマに関する資料調査について、国外ではアメリカ議会書館、スタンフォード大学フーバー大統領図書館、国立公文書館(Archive II)、国務省歴史資料課、オーストラリア国立図書館、韓国外交資料館、高麗大学、台湾中央研究院近代史研究所、台湾国家図書館・中央図書館台湾分館、台湾国史館台湾文献館で資料収集を行った。国内では国立国会図書館憲政資料室、国立公文書館、日本外交資料館、沖縄県公文書館、東洋文庫、南山大学図書館、大阪大学図書館で資料調査を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度の3ヶ月間の研究活動において、大戦後の太平洋・東アジア地域における米国、韓国、台湾、沖縄の賠償・援助・貿易・金融・為替に関する資料調査を開始した。また、ノッター・ファイルを購入し、木内信胤文書のマイクロフィルム撮影を開始することにより、計画していた資料調査をほぼ順調に進めることができた。またデータ・ベースの構築に向けた環境整備を行うとともに、国立国会図書館および名古屋大学法情報センターの協力を得て、資料の公開に向けた整理作業も進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
日米特殊関係の形成・変容過程については、太平洋・東アジア地域だけでなく、ヨーロッパの地域統合への米国の関わりとの比較を意識することが重要である。そこで今後は、日本、アメリカ、韓国、台湾、沖縄の各関係の資料調査を進める一方、ドイツをはじめとするヨーロッパ関係の調査を開始する。また、ノッター、木内資料の解読をすすめ、資料の一部を名古屋大学法情報センターHP上で公開する予定である。
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Research Products
(7 results)