Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上垣 彰 西南学院大学, 経済学部, 教授 (70176577)
杉浦 史和 帝京大学, 経済学部, 准教授 (60377041)
徳永 昌弘 関西大学, 商学部, 准教授 (30368196)
堀江 典生 富山大学, 極東地域研究センター, 教授 (50302245)
溝端 佐登史 京都大学, 経済研究所, 教授 (30239264)
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Research Abstract |
本研究プロジェクトの初年度である平成23年度は,「論争追跡・再構築段階」に当たるが,その具体的作業課題は,対象研究テーマに関する国際的論争の形成に一定の寄与が認められる理論的・実証的研究業績及び関連研究資料の広範な収集と内容整理である。この際,実証成果のメタ分析という本研究プロジェクトの主要目的を意識して,統計的・計量経済学的実証研究の収集には特に注力した。欧米諸国や日本国内での獲得が困難な文献及び研究資料は,メンバーがこれまでに培った中東欧及び旧ソ連諸国の科学アカデミー(ハンガリー科学アカデミー附属社会学研究所,モルドヴァ科学アカデミー「附属経済・金融・統計研究所,ブルガリア科学アカデミー附属経済研究所等)及び高等教育機関(ロシア連邦国立大学高等経済院,ウクライナKiev-Mohyla Academy大学,ルーマニア国立ブカレスト経済大学等)との公式・非公式な協力・提携関係や人脈を活用して,その収集を図った。この結果,プロジェクト全体で合計2,855点の文献及び研究資料の発掘と入手先の特定を行うことができた。1研究テーマ当たりの文献・資料数は237.9点に達し,当初の目標であった100点を大幅に上回った。また,その約90%については,電子ファイルやハードコピー等での獲得も完了し,残り10%も鋭意入手中である。また,我々は,中東欧,ロシア,中央アジア諸国での研究者,研究機関及び政府関係者等に対する聞き取り調査も実施し,対象研究テーマの背景事情や当事者による今日的評価の把握を行った。更に我々は,依然未着手ないし十分に掘り下げられていない移行経済研究関連の論点に関して独自の実証研究も同時並行的に進め,その成果の一部を学術図書や雑誌論文として発表し,また学会,国際コンファレンス及びワークショップの場で,研究者や一般市民に向けて発信した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
対象研究テーマに関連する文献及び研究資料の発掘数は,1研究テーマ当たり237.9点に達し,当初の目標であった1研究テーマ当たり100点の基準を大きく超えることができた。また,移行経済研究分野の未着手ないし分析不十分な論点に関する独自の実証研究も予想以上に進み,プロジェクト初年度でありながら,学術図書9点と雑誌論文及び図書所収論文31点(内,査読付論文15点)の発表も実現し,37件に達する研究報告も行った。これらは,当初の研究計画を大幅に上回る成果であると評価し得る。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究プロジェクトは,当初の計画目標をも超えて目覚ましい進展を見せている。今後も,移行経済研究分野において最も争点となっている4分野12研究テーマについて,過去20年間におけるその論争の流れを追跡・再構築化した上で,理論研究の含意と実証分析の諸成果との間の対応関係を詳細に検討するという研究計画の基本的な目標や枠組みを維持しつつ,更なる研究成果の実現に努めたい。
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