2011 Fiscal Year Annual Research Report
国際的共同研究によるマルクス恐慌論のデジタル・アーカイブの構築
Project/Area Number |
23243035
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
守 健二 東北大学, 経済学研究科(研究院), 教授 (20220006)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大村 泉 東北大学, 経済学研究科(研究院), 教授 (50137395)
山口 拓美 神奈川大学, 経済学部, 准教授 (10409857)
八柳 良次郎 静岡大学, 情報学部, 教授 (00125676)
齊藤 彰一 岩手大学, 人文社会科学部, 准教授 (60302048)
柴田 信也 東北大学, 経済学研究科(研究院), 名誉教授 (80006840)
赤間 道夫 愛媛大学, 法文学部, 教授 (30175781)
吉井 哲 名古屋商科大学, 経済学部, 准教授 (10514341)
大野 隆 立命館大学, 経済学部, 准教授 (40388806)
黒瀬 一弘 東北大学, 経済学研究科(研究院), 准教授 (80396415)
川村 哲也 神奈川大学, 経済学部, 准教授 (60367258)
古谷 豊 東北大学, 経済学研究科(研究院), 准教授 (00374885)
石垣 政裕 東北大学, 経済学研究科(研究院), 講師 (60176170)
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Keywords | MEGA / 恐慌 / マルクス |
Research Abstract |
(i)テキストのデジタル化に関して,ベルリン-ブランデンブルク科学アカデミーBBAW のIT部門から技術指導を受け,書籍テキストのXMLテキストへの変換技術を習得した.その上で,実際にMEGAII/1.1,1.2にかんしてXML文書への変換が完了する計画であったが,共同研究のパートナーであるBBAWの協力によって,同巻はいずれも作業完了している.さらに来年度以降の課題であるMEGAII/15のXML文書作成も先取りして開始した.なおデジタル化の完了したMEGAのテキストを表示するためのサイトを設置した.システムについては,パスワードによる保護を設定して,研究組織内部およびBBAW間で随時閲覧,修正を可能にした. (ii)未刊のMEGAIV/14の編集については,研究組織から5名,外部から4名(うち海外共同研究者2名)を含む編集チームを組織し,編集作業を開始した.テキストの約半分についてはその典拠を同定する作業が完了し,その部分に関するテキスト校正を進めた. (iii)上記課題(ii)のMEGAIV14の編集のために,8月7-8日に東北大学(10名参加),10月16日に東北大学(8名参加),12月17-18日に東北大学(9名参加),および2月20日に神奈川大学(12名参加)にて編集会議を行ない,必要な課題を検討したのち,完成までの作業手順とスケジュールを確定した. (iv)国際的な恐慌論研究の動向調査に関して,10月15日にカナダより海外共同研究者2名を招聘し計16名の参加を得て,ワークショップを開催した.さらに2月18-19日に神奈川大学において,海外より13名の専門家を招聘し,約50名の参加者を得てマルクス恐慌論にかんする国際コンファレンスを開催した.これらの議論を通じて,各国の研究動向について詳細に情報収集することができた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
【2011年度】 4つの研究目的のうち,(i)MEGAテキストのデジタル化については計画以上に進展しており,(ii)MEGAIV/14の編集については計画通りに進展している.ただ(iii)国際的な二次文献調査については,国際ワークショップおよび国際コンファレンスの開催によって,その最新動向を把握したものの,経年的文献調査の進捗状況には国別のバラつきが見られる.研究目的を総合的に判断すれば,おおむね順調に進展している. 【2012年度】 4つの研究目的のうち,(i)MEGAテキストのデジタル化については現在のところ計画どおりに進展している。(ii)MEGA IV/14の編集についても計画通りに進展している.(iii)国際的な二次文献調査については,国際ワークショップの開催によって,課題を具体化し、スケジュールを策定したものの、まだ執筆者を完備しておらず、実際の執筆作業に先立ってその確保が行われなければならず、その分、当初の計画よりの遅れが認められる。また日本の二次文献サーベイについては、執筆者の未定稿はすでに集約したものの、肝心の網羅的文献リストの作成の時期にまだ目途が立っておらず、その分、当初の計画よりの遅れが認められる。(iv)インデックスの電子化については、テキスト中の任意の語について、その語と連関する語を抽出し、その連関を位相的に図示するテキストマイニングのシステムの開発に着手し、その第一段階としてテキスト中の任意の語の頻度をリストアップするシステムを作成した。
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Strategy for Future Research Activity |
【2011年度】 (1)MEGAテキストのデジタル化については、第2事業年度以降は残る5冊について随時,デジタル化を進めていく.順序は,II/15→II/4.3→II/10→IV/14→I/16を予定している。(2)MEGAIV/14の編纂については、第2事業年度には,テキストの典拠同定および校正の作業を継続し,第3事業年度でテキスト部の完成を目指す.第4事業年度にはApparat部の完成を,最終事業年度では印刷を目指す.(3) 国際的二次文献調査については、日本語およびドイツ語文献については,コンセプトの見直しを行いながらこの間の収集・評価作業を継続していく一方で,作業チームの再編などを通じて,とくに英語圏とフランス語圏での作業推進の方策を次年度のできるだけ早い時期に検討する. 【2012年度】 (1)MEGAテキストのデジタル化:つぎの作業対象としてMEGA II/10巻が予定されているが、これには複数人による手入力が行われなければならず、これまでに比べてはるかに負担の大きい作業となる。対応策の一つとして、他のプロジェクトと共同によって当該巻のデジタル化を進める方法が考えられる。(2)MEGA IV/14の編集:来年度に典拠同定、テキスト校正を完了し、2014年度に「注解」の作成、2015年度に印刷の開始を目指す。(3)国際的な二次文献調査については、来年度中に執筆者の確保と原稿の完成を予定している。また日本の二次文献サーベイについては、文献リストの作成にさいして、膨大な文献データを処理するのに必要な要員の確保を行い、計画の遅れからの回復を図る。(4)インデックスの電子化:テキストマイニングのシステムの開発と並行して、デジタル化の完了した巻のインデックスのデジタル化(テキストとのリンク)、MEGAIV/14についてはテキスト-典拠-他巻利用箇所のリンクを構築していく。
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Research Products
(21 results)