2012 Fiscal Year Annual Research Report
国際的共同研究によるマルクス恐慌論のデジタル・アーカイブの構築
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23243035
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
守 健二 東北大学, 経済学研究科(研究院), 教授 (20220006)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八柳 良次郎 静岡大学, 情報学部, 教授 (00125676)
古谷 豊 東北大学, 経済学研究科(研究院), 准教授 (00374885)
山口 拓美 神奈川大学, 経済学部, 准教授 (10409857)
吉井 哲 名古屋商科大学, 経済学部, 准教授 (10514341)
赤間 道夫 愛媛大学, 法文学部, 教授 (30175781)
大野 隆 立命館大学, 経済学部, 准教授 (40388806)
大村 泉 東北大学, 経済学研究科(研究院), 教授 (50137395)
石垣 政裕 東北大学, 経済学研究科(研究院), 講師 (60176170)
齊藤 彰一 岩手大学, 人文社会科学部, 准教授 (60302048)
川村 哲也 神奈川大学, 経済学部, 准教授 (60367258)
柴田 信也 東北大学, 経済学研究科(研究院), 名誉教授 (80006840)
黒瀬 一弘 東北大学, 経済学研究科(研究院), 准教授 (80396415)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | MEGA / 恐慌 / マルクス |
Research Abstract |
(i)MEGAテキストのデジタル化に関して,「新マルクス・エンゲルス全集(MEGA)」II/15巻のXML文書作成およびオンライン化 (アクセス限定)をほぼ完成した。また5月および1月にベルリン-ブランデンブルグ科学アカデミー(BBAW)を訪問し ,関係部門責任者と協議の上,新たにMEGA II/4.3巻のXML文書作成を開始した。 (ii)編集中のMEGA IV/14(恐慌論ノート)について,まずその典拠同定済みの部分に関してテキストの校正作業を行い、5月までに完了した。さらにTimes、Manchester Guardian,Daily News,Daily Telegraph,Morning Star,Manchester Daily Examinerなど、知られているすべての典拠候補について、前3紙誌は日本でのオンライン調査によって、残る3紙は大英図書館での現地調査によって同定調査を行った。この結果、恐慌論ノートの切抜き部分については約80%の典拠が同定された。また切抜き部分全体について原稿の校正を完了した。また同ノートの手書き部分については、典拠同定および校正を開始し、手書き部分全体の約20%を処理した。6月,3月に編集会議を開催し,作業進捗状況の点検と問題点協議を行った.なお3月の会議にはドイツから上記共同研究者を招へいし協議を行った. (iii) 国際的二次文献調査では,3月に海外専門家を招へいしワークショップを開催し、マルクスの恐慌論、1930年までの恐慌論、金融危機にかんする現代的論議を解説したうえで、各国別に英、仏、独、希、伊、日、韓、北欧、露、南米の恐慌論文献をサーベイし、公刊するという出版計画を具体化した。また日本語の恐慌論サーベイについては、2月に執筆者打ち合わせを開催し、未定稿を集約し、公刊までのスケジュールを策定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
4つの研究目的のうち,(i)MEGAテキストのデジタル化については現在のところ計画どおりに進展している。 (ii)MEGA IV/14の編集についても計画通りに進展している. (iii)国際的な二次文献調査については,国際ワークショップの開催によって,課題を具体化し、スケジュールを策定したものの、まだ執筆者を完備しておらず、実際の執筆作業に先立ってその確保が行われなければならず、その分、当初の計画よりの遅れが認められる。また日本の二次文献サーベイについては、執筆者の未定稿はすでに集約したものの、肝心の網羅的文献リストの作成の時期にまだ目途が立っておらず、その分、当初の計画よりの遅れが認められる。 (iv)インデックスの電子化については、テキスト中の任意の語について、その語と連関する語を抽出し、その連関を位相的に図示するテキストマイニングのシステムの開発に着手し、その第一段階としてテキスト中の任意の語の頻度をリストアップするシステムを作成した。
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Strategy for Future Research Activity |
(i)MEGAテキストのデジタル化については、つぎの作業対象としてMEGA II/10巻が予定されているが、これにはいかなるデジタルテキストも存在せず、タブルタイピングによる複数人による手入力が行われなければならず、費用および時間の面でこれまでに比べてはるかに負担の大きい作業となる。よって来年度以降、作業の遅れを来たさないような方策が必要である。その一つとして、他のプロジェクトと共同によって当該巻のデジタル化を進める方法が考えられ、そのため、6月にベルリンブランデンブルク科学アカデミーを訪問し、推進方策を協議する予定である。 (ii)MEGA IV/14の編集については、来年度に典拠同定、テキスト校正を完了し、2014年度に「注解」の作成、2015年度に印刷の開始を目指す。 (iii)国際的な二次文献調査については,来年度中に執筆者の確保と原稿の完成を予定しており、そのために国際的共同研究者のネットワークを利用して、適任者を選定する。また日本の二次文献サーベイについては、文献リストの作成にさいして、膨大な文献データを処理するのに必要な要員が不足しており、研究協力者の雇用などを含めてその確保を行い、計画の遅れからの回復を図る。 (iv)インデックスの電子化については、テキストマイニングのシステムの開発と並行して、デジタル化の完了した巻のインデックスのデジタル化(テキストとのリンク)、恐慌論ノート(MEGAIV/14)についてはテキスト-典拠-他巻での利用箇所のリンクを構築していく。
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