2012 Fiscal Year Annual Research Report
計量経済学におけるコンピュータ・インテンシブな統計手法の開発とその実証研究
Project/Area Number |
23243038
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
谷崎 久志 大阪大学, 経済学研究科(研究院), 教授 (60248101)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒住 英司 一橋大学, 経済学研究科(研究院), 教授 (00332643)
福重 元嗣 大阪大学, 経済学研究科(研究院), 教授 (10208936)
難波 明生 神戸大学, 経済学研究科(研究院), 准教授 (60324901)
川崎 能典 統計数理研究所, モデリング研究系, 准教授 (70249910)
|
Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | コンピュータ・インテンシブ / 時系列分析 / ボラティリティ / ブートストラップ |
Research Abstract |
それぞれの研究代表者・分担者の今年度の研究成果を簡単に記す。谷﨑(研究の総括と統計的手法の開発の担当)は,株価・外国為替レート・金利のレベル水準値とそのボラティリティの変動要因を SV モデルによって分析を行った。レベル,ボラティリティの両方について,株価・外国為替レート・金利は,どちらか一方的に影響を及ぼしているのではなく,相互に密接に影響を及ぼしあっていることを確認した。福重(コンピュータ・インテンシブな統計手法による実証分析の担当)は,マクロ経済政策の影響を考慮した地価の変化について研究し,個々の地域の政策(観光振興,景観条例や道路の緑化)が地価及び地域の経済全体に与える影響についての研究を発表した。その他に医療支出の格差に関する新たな指標を提案した。黒住(時系列分析に関する統計手法の開発の担当)は,共変量単位根検定における,共変量の選択方法を開発した。共変量の選択は,その候補がN個ある場合には,N個からj個(j=1,...,N)を選ぶすべての組み合わせに対しての計算が必要であり,近年のコンピュータの計算速度を必要とする手法である。川崎(コンピュータ・インテンシブな時系列分析と統計的手法の開発の担当)は,サーキットブレーカー制度導入後の商品先物市場で,価格変動の非対称性をモデル化し定式化を探索するための,MCMCに基づく計算機集約型の方法を研究し,リスク管理(VaR, CVaR)への応用を行いその有効性を確認した。難波(コンピュータ・インテンシブな統計手法に関するシミュレーション分析の担当)は,個別の回帰係数が0であるという帰無仮説と,全ての回帰係数が0であるという帰無仮説を予備検定とする2種類の縮小推定量を考え,その小標本特性を数値計算により分析した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(理由) 十分な研究成果があがっている。しかも,研究報告を通して啓蒙的な活動も行っている。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後も今年度と同様に,個々の研究分担者と連携して,研究を遂行する予定である。特に,次年度の目標としては,非線形フィルタの推定方法の開発を行うことを考えている。同時に,その応用として,経済成長のレジーム・スイッチに関する新たな計測方法及び計算方法を提案する予定である。このように,コンピュータ依存の強く計算負担が重い推定や検定を,実証分析に応用する。
|
Research Products
(27 results)