2011 Fiscal Year Annual Research Report
社会的排除としてのwell-being格差とソーシャル・キャピタルの研究
Project/Area Number |
23243070
|
Research Institution | Nihon Fukushi University |
Principal Investigator |
近藤 克則 日本福祉大学, 社会福祉学部, 教授 (20298558)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾島 俊之 浜松医科大学, 医学部, 教授 (50275674)
近藤 尚己 山梨大学, 医学工学総合研究部, 講師 (20345705)
稲葉 陽二 日本大学, 法学部, 教授 (30366520)
山崎 喜比古 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 非常勤講師 (10174666)
三澤 仁平 日本福祉大学, 健康社会研究センター, 主任研究員 (80612928)
|
Keywords | 社会的排除 / 健康寿命 / ソーシャル・キャピタル / 社会疫学 / 格差 |
Research Abstract |
本研究の目的は,2013年に協力自治体において約10万人の高齢者を対象にした大規模コホート研究と4回目のパネル調査を行うことによって,well-being(幸福・健康)を規定する「社会的排除」や「ソーシャル・キャピタル」などの心理・社会的要因に着目し,それらの相互関係や因果関係を明らかに,社会的包摂を支援するための科学的知見を提供することである. 2011年度には,1、既存データを活用したコホート研究と研究成果の発表,2、2013年度の大規模調査の準備に着手した. 1、既存データを活用した研究では,「健康寿命に関するコホート研究」と「社会的排除プロセスの研究」によって,健康寿命,自殺などwell-being(幸福・健康)が損なわれる危険因子や,そのプロセスにおいて社会的排除などがどのように関与しているのかを検証した.例えば,健診未受診など「自らの排除(self-exclusion)」が社会階層の低い層に多いことを明らかにし,そのプロセスにおいて,「将来の楽しみ」に代表されるpositiveな心理やうつ状態が関与しているのか,健診受診の有無などを目的変数とした検証を進めて論文にまとめ投稿し,現在査読中である.また、既存の大規模データを用いて,閉じこもり高齢者についての分析を進め,出現割合が自治体間で5倍も異なること,そのリスク要因として,個人要因だけでなく,地域での交流の減少など地域要因も関与していることなどを明らかにして学会で報告し,優秀演題賞を受賞した.うつについてもソーシャル・キャピタルが関与していることなど「社会的排除プロセス」や「要介護リスクを持つリスク(cause of cause, 原因の原因)」の一端の解明を進めた. 2、2013年度の大規模調査の準備では,ソーシャル・キャピタルを中心に文献レビューをして、検証仮説の抽出を進めた.本研究費だけでは十分な規模の調査を実施できない(不足する)ため,他の研究費を獲得し,10万人規模の大規模調査に向けて一歩前進した.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通り,1,既存データの分析,2013年調査の実施準備とも進んでいる
|
Strategy for Future Research Activity |
引き続き,1、既存データを活用したコホート研究と研究成果の発表,2、2013年度の大規模調査の準備を進める. 本研究費だけでは十分な規模の調査を実施できない(不足する)ため,他の研究費獲得に努力し,10万人規模の大規模パネル調査の実現に努力したい.
|
Research Products
(6 results)