2011 Fiscal Year Annual Research Report
教育系大学の図工・美術科教員養成における創造性育成支援プログラムの開発
Project/Area Number |
23243087
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
小澤 基弘 埼玉大学, 教育学部, 教授 (40241913)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 猛 東京大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (70281061)
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Keywords | 創造性 / ドローイング / 作品化 / 認知科学 / 対話 / 省察 / プロセス |
Research Abstract |
本研究は図工・美術科教員を志望する大学生のための創造性育成プログラムの開発を目的とする。本研究は平成23年度を含め4年間継続されるが、今年度は研究実施計画にも記したように、ベース授業の観察と記録を実施した。ベース授業とは、研究代表者が勤務する大学で3年生向けに行っている「絵画応用実技I」である。本授業前期は毎日ドローイング(主観的素描)を学生に課題として制作させ、授業時にそれを教師と対話しながら鑑賞し、ドローイングを通して各自表現の内容を省察するという形態をとっている。後期は前期のドローイングを通して見出した自己の表現テーマを「作品化」することを課題としている。後期毎回の授業は作品化に向けたプロセスの発表であり、最終的に「作品」というかたちで提出させている。平成23年度は前期ドローイングにおける全授業対話の音声記録、ビデオ記録、ドローイングの画像記録、そして毎回授業後の自己省察レポート、後期作品化プロセスの全対話記録、作品化プロセスの記録写真、毎回の省察レポートを課し、それらすべてを記録した。 また前期記録のなかから5名分の全対話・ドローイング記録(12回授業の出席率の高い学生例)を認知心理学的知見に基づきながら内容を定義分けし、教師(小澤)と各学生との対話が全12回の授業の中でどのように進行し、その結果どのようなドローイング表現が生み出されたか、そのプロセスを概念図化した。それによって、本ベース授業が創造性育成にどのように関わっているか、その効果と問題点を俯瞰できるようにした。現在は、このようなデータの制作学的および認知心理学的な分析を試みているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度は教師の介入パタンの検証を行うために、「ベース授業の観察と記録」を実施することが主たる目的であった。それについてはほぼ完全なデータを得ることができた。それと同時に、データの一部分析も行うことができ、5名分の授業プロセスを俯瞰できる概念略図を作成することができた。これは当初の計画以上の成果であるといえる。しかし、心理実験に関してはまだ不十分な点があるため、全体としては「概ね順調に進展している」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画どおり推進することを予定している。
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Research Products
(2 results)