2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23244011
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
谷口 正信 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (00116625)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
星野 伸明 金沢大学, 経済学経営学系, 教授 (00313627)
汪 金芳 千葉大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (10270414)
劉 慶豊 小樽商科大学, 商学部, 准教授 (60378958)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 非線形時系列解析 / ポートフォリオ推測 / 安定過程 / 経験尤度法 / 一般化モーメント法 / 近接単位根過程 / 高次元データ / 因果性検定 |
Research Abstract |
本年度は、高次元データへの統計手法の開発と応用、安定過程に対する統計推測、時系列に対する滑らかでないコントラスト関数による推測理論の構築、従属データに対する経験尤度法の使用、また一般化モーメント法の開発を行った。特に、安定過程に対しては、自己正規化変換をしたピリオドグラムに基づく経験尤度法の提案と経験尤度比や経験尤度推定量の漸近分布の導出を行い、この分野に新しい風を入れた。多次元非正規収益率過程へのポートフォリオ係数の推測についても、高次モーメントに基づく推定量の動きを明らかにした。また極めて一般的な確率過程に対する適合度検定として、一般化ポートマントウ型検定を提案して、これが漸近的にカイ2乗分布に従うための条件を明らかにした。因果性検定では、Whittle 尤度に基づいて同時因果性を検定する統計量の提案し、その漸近分布を明らかにした。近接単位根過程に対しても、検定統計量の漸近特性を極めて一般的な設定で展開した。科研費に基づくシンポジュームも、下記のように開催し活発な議論が行われた。 (1)「高次元データに関連する統計理論の新展開とその応用」、 於 小樽商科大学、開催責任者:劉慶豊2013年9月5日ー7日。 (2)「一般化線形モデルの最新の展開とその周辺」、於 千葉大学、開催責任者:汪金芳 2013年11月8日ー10日。 (3)「統計科学の新展開」、於 金沢大学、開催責任者:星野伸明 2013年11初27日ー29日。 (4)「Stable Process, Semimartingale, Finance & Pension Mathematics」於 早稲田大学、開催責任者:谷口正信、 Dou, X. and 濱田健太。 上記シンポジューム報告は下記:http://www.taniguchi.sci.waseda.ac.jp/kakenhoukoku2011.html においた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
非対称・非線形統計理論については、定常性を仮定すれば、非正規無相関過程から生成される線形過程として表現される。 これについては、経験尤度解析、ポートフォリオ推測、因果性検定等、非常に一般的なモデルに対して基礎理論展開できている。 また国内シンポジューム3回、国際シンポジューム2回を開催できて、多数の国内研究者、外国研究者の発表と交流を成就した。またこのプロセスの中で、若手研究者の育成も推進でき、該当科研費事業は、十二分に予定どうり進んでいると思われる。 具体的な青果物としては SpringerBriefs から " Statistical Inference for Financial Engineering" が出版され、また早稲田大学理工学研究所から「理工研特集号」"Special Issue on the Financial & Pension Mathematical Science" が発刊され成果が具現されてきている。
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Strategy for Future Research Activity |
近年、統計学の分野では、高次元データ、ビッグデータの時代になりつつあり、本研究課題でも、高次元時系列、高次元時空間過程の解析の方向へ舵を切りつつある。今後の推進方策としては、高次元時空間過程に対して、尤度比過程の漸近論を確立して、 LeCam 流の最適推測理論を発展させたい。また、高次元因子モデル、高次元時系列主成分分析、高次元時系列判別分析への最適理論の構築を試みる。こういった理論成果は、多分野に応用可能で、遺伝子、金融データ解析、気候変動データ、医学データ、地震データ等への応用を試みる。 また、安心、安全の科学として、年金ポートフォリオ構成、大災害への保険数理モデルの統計解析を試みる。
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Research Products
(20 results)