2011 Fiscal Year Annual Research Report
ユニットネットワーク固体の構築工学展開による新機能触媒物質群形成
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23246135
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
上田 渉 北海道大学, 触媒化学研究センター, 教授 (20143654)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹口 竜弥 北海道大学, 触媒化学研究センター, 准教授 (30227011)
村山 徹 北海道大学, 触媒化学研究センター, 助教 (60583531)
清水 研一 北海道大学, 触媒化学研究センター, 准教授 (60324000)
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Keywords | 複合酸化物 / 高次構造 / 細孔構造 / ソフト合成 / 固体触媒 |
Research Abstract |
研究では、ユニットネットワーク固体が様々な分野での利用されるようになるための構築工学の方法論を確立し、同時に新しい触媒機能を持った触媒物質群として登場させることを目的とする。具体的には、ユニットが単独ないしは混合して有するポリ酸類を合成し、これをもとに可能な2次元平面ネットワーク構造を抽出し、実際のユニットの縮合過程を追跡しつつ、反応条件を最適化し、固体合成を達成するものである。 本年度は、5員環の酸化モリブデンユニットと単独のバナジルユニットを基本に、そのユニットの高次化を目指し、ユニットのフレームワーク自体の構造安定化剤として、(1)有機アンモニウム存在下でのユニット固体合成、および(2)異種イオン存在下でのユニット固体合成を遂行した。 ユニットネットワーク固体ではユニット自体が構造規制しているため、有機アンモニウムイオンは構造安定化剤として働くことが判明したが、同時にその有機物の分子形状は平面ネットワーク形成に大きく影響を与え、有機アンモニウムイオンによるユニット縮合方向の規制が示唆され、物質合成の展開幅が広がることとなった。一方、異種イオン存在かでは、これまでの2次元平面ネットワーク構造とは異なり、5員環の酸化モリブデンユニットが3次元的にネットワーク化した構造が示唆される全く新しい物質構築に成功した。この点からでも、物質合成の展開幅がさらに広がることとなった。後者の物質は、小分子を特異的に収蔵するミクロ細孔を有する物質であることも判明し、ユニットネットワーク形成法の有効性を検証することとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
概要で述べたとおり、新しい物質創成につながったことは、大きな成果であり、かつ研究方向自体に高い将来性を持つことを実証したものでもあり、達成度は高いと評価できる。加えて、計画当初に設定していた有機アンモニウムイオン添加は想定以上の効果を持つことが明らかになっており、物質合成の幅を広めたことに意義は高い。
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Strategy for Future Research Activity |
物質合成の具体的な成果事例を示すことができ、方法論の拡大が示唆されたが、反面ユニットネットワーク形成のより具体的な化学反応の中身は判然としておらず、一般化するための系統的な研究が欠かせない。より多くの系での系統研究に加え、ユニット自体のバリエーションを今後増やして、多面的な研究を遂行する。
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Research Products
(25 results)