2011 Fiscal Year Annual Research Report
定時性、耐波浪衝撃性を核とする新しい高速海上輸送システムの研究
Project/Area Number |
23246151
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
吉田 基樹 九州大学, 大学院・経済学研究院, 教授 (20404080)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木下 健 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (70107366)
梶原 宏之 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (30114862)
岩下 英嗣 広島大学, 工学研究院, 教授 (60223393)
木原 一 防衛大学校, 准教授 (40283717)
神田 雅光 株式会社三井造船昭島研究所, 部長 (00561573)
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Keywords | 船舶工学 / 流体工学 / 高速船 / 耐航性 / 経済性 |
Research Abstract |
(イ)速力40ノット、貨物5,000-10,000トンの大洋航行大型高速船による海上輸送システム概念設計、(ロ)波浪階級7(有義波高6_9メートル)において高度な輸送品質(定時性、耐波浪衝撃性)、即ち良好な耐航性(波浪中減速のないこと、1回のスラミングも受けないこと)を持つ事の2つを研究目標とし、本年度は以下の研究を実施した。まず、本研究対象船RFSの極めて微少な波浪中抵抗増加を測定するために従来RFS模型及び測定装置を改造した上で予備水槽実験を三井造船昭島研究所100メートル水槽で行い、規則波及び不規則波中抵抗増加を測定した。また、従来の上下揺れ、縦揺れ線形PD制御に加え横揺れPD制御を加えるための装置改造を行った。次に、波浪中RFS船体運動を極限まで低減するため、翼によるHILS手法に沿って非線形制御の検討を実施した。つまり、従来のMathematicaによる運動シミュレーション・プログラムをMatlab/Simulink環境に移行し実時間運動シミュレーターを開発する予備検討を行った。一方、理論計算では、大波高中船体運動をシミュレートするため船体姿勢変化に対応した復原力、フルード・クリロフ力及び動的竜体力を考慮した非線形時刻暦計算の高船速ストリップ法開発を始め、また翼揚力を考慮したRFS流体力計算のため3次元ランキン・パネル法の開発及び計算上値の実験値による検証を行った。更に、海上輸送システム概念設計の前提となる大洋航行遅延データ比較を従来単胴コンテナ船では海運会社の実データ、RFSでは推定計算データにて行うための検討を始めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
波浪中抵抗増加実験は予定通りの進捗だが、その計算はストリップ法ベースからの捕正或いは3次元ランキン・パネル法の適用が難しくて検討遅れのため進捗遅れとなっている。翼非線形制御法開発は実時間運動シミュレーター開発が複雑多岐のためやや遅れ気味である。輸送システム概念設計における大洋航行遅れデータ整理は、原データ収集に時間を要しているため進捗が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は研究の初年度であるため試行錯誤が多く、まとまりのない状態で検討がすすんでいる。それも周囲の状況(たとえば必要データの所在場所)がほぼ明確になりつつあり、また本研究における実験データも出つつあるので、課題の整理を迅速に行い、各分担者の知識を総合しかつ各分担組織を統合して計画を遂行する体制を構築し、研究進捗を図る。
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Research Products
(3 results)