2011 Fiscal Year Annual Research Report
船舶の実海域性能評価のための新しい自航試験法の研究
Project/Area Number |
23246153
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | National Maritime Research Institute |
Principal Investigator |
谷澤 克治 独立行政法人海上技術安全研究所, 流体性能評価系, 系長 (70373420)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上野 道雄 独立行政法人海上技術安全研究所, 流体性能評価系, グループ長 (60358405)
平田 宏一 独立行政法人海上技術安全研究所, 次世代動力システムセンター, センター長 (90282425)
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Keywords | 実海域性能 / 波浪中自航試験 / 主機特性模擬 |
Research Abstract |
本研究では機関特性を模擬する自航装置を用いた波浪中自由航走試験を行い、実海域波浪場中での船速、プロペラ回転数ならびにトルク変動、軸出力とその変動、舵角、斜航角等を直接計測することで、これまでの抵抗の積上計算に基づく間接的な推定法に代わって、実海域性能を直接的に計測・評価する技術を開発している。H23年度は本研究の基礎技術をなす舶用機関モデルの開発と、水槽試験結果から実船の実海域性能を正確に見積もるための理論整備を実施した。 舶用機関の数学モデルの開発では、垂線間長300mのコンテナ船を対象船として、主機メーカのカタログより66,220kw(MCR)、11気筒の低速ディーゼルエンジンを選定し、その数学モデルを開発すると共に、船舶全体を推進プラントと見なした数学モデルも合わせて構築し、計算機上でのシミュレーションにより、ガバナー、回転体としての主機、燃焼のモデルの検証を行った。このモデルに波浪中での船体運動モデル、波浪中抵抗増加モデル、プロペラへの流入速度変動、それに伴うプロペラ負荷変動モデル、主機の動的応答モデル等を追加し、実海域波浪場中を航走する船舶の実海域性能のシミュレーションを可能とした。 理論面では、水槽試験結果から実船性能の評価を可能にするため、主機までを含めた相似則等の整備を行った。 さらに、来年度に開発を予定している機関特性を模擬する自航装置を前倒しで試作した。本自航装置のサーボモータは、主機の数学モデルにより、負荷変動に対しディーゼル主機特性を模擬した応答を示すように制御されている。 本自航装置のテストとして、海技研の小型水槽にて予備実験を実施して動作確認を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
次年度に計画していた機関特性を模擬する自航装置を前倒しで試作し、小型水槽にて予備実験を実施して動作確認を行ったため、まだ試作品であり改良すべき点が多々あるが、基本的な動作確認が行えたことで、次年度の計画を円滑に進めることが出来ると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も当初の計画に従って研究を進めるつもりである。特に問題点はなく研究計画の変更は考えていない。
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Research Products
(3 results)