2011 Fiscal Year Annual Research Report
X線CTによる非破壊試験が先導するジオマテリアルの構造・現象可視化イノベーション
Project/Area Number |
23246156
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
尾原 祐三 熊本大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (50135315)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大谷 順 熊本大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (30203821)
山田 文彦 熊本大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (60264280)
佐藤 晃 熊本大学, 大学院・自然科学研究科, 准教授 (40305008)
椋木 俊文 熊本大学, 大学院・自然科学研究科, 准教授 (30423651)
麻植 久史 熊本大学, 大学院・自然科学研究科, 助教 (70462843)
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Keywords | ジオマテリアル / X線CT / 可視化 / 非破壊試験 |
Research Abstract |
ジオマテリアルを対象としたX線CTによる基本的試験法や測定法の高機能化,およびこれまでのX線CTを用いた非破壊試験の総合・分析・体系化・出版に焦点を絞り,適切な分担を設けて研究課題を同時に遂行し,研究代表者:尾原祐三が研究の企画と総括を行った。 き裂の可視化と定量に関する研究では,岩石破壊力学において重要な引張型(モードI)のき裂進展現象の解明を目指して研究を実施した。ここではSCB試験を実施し,亀裂進展時の応力拡大係数を評価し,岩石の異方性ならびに粒子の配向性との関係を明らかにした。加えて,マイクロフォーカスX線CTによる亀裂進展形状の可視化結果から,前期の異方性・配向性と粒界・粒内亀裂の関係を明らかにした。 せん断破壊面の可視化と変位場評価方法の高度化に関する研究では,人工マーカーを試料内に事前に埋め込み,せん断に伴うマーカーの移動を画像上で確認する方法および天然マーカーの移動を画像上で確認する2つの方法の開発を行った,その結果,せん断過程のマーカーの分布から変位場を評価する方法を開発し,せん断面の位置とダイレタンシーの定量化が可能であることを示した。 干潟底質泥内部の密度構造分布の可視化と定量に関する研究では,海底生物の生態に関係する干潟底質泥内の3次元構造特性の評価を行った。アサリなどの海底生物群の分布は底質泥内部の3次元密度構造に依存していることが知られているが,実際の干潟上の底質泥内部の密度分布を適切に分析できる試験法はない。そこで,この問題を解決するために,rX線CT型底質泥構造試験法」を開発した。試験的に実施した厚肉アクリル製の円管を用いて採取した試料のX線CT画像の分析では,表層から5~9cmの深さにアサリの住む低密度領域を評価・分析することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では,X線CTを用いた非破壊試験による構造・現象可視化イノベーションをめざし,大きく6つのテーマに関して研究を実施している。研究初年度においては,ぞれぞれの研究を推進していくための環境の整備を行い,さらに,基礎実験・予備解析などを実施しながら研究の基盤整備に当たってきた。例えば,マイクロフォーカスX線CTによる亀裂進展形状の可視化結果から,前期の異方性・配向性と粒界・粒内亀裂の関係を明らかにするなど,重要な成果が出つつある。このことから,概ね研究は順調に進捗しているものと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
研究初年度においては研究環境の整備や,各研究テーマに関して基本的な知見やノウハウが得られつつある。また,本研究の基盤となるX線CTスキャナーのうち,2年前に導入されたμフォーカスX線CTスキャナーに関しては,本研究を推進していく過程でより高度な撮影方法,画像処理方法が確立されつつあり,成果が出始めている。よって,当初の研究計画に従って研究を実施していく予定である。
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Research Products
(23 results)