2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23247046
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Research Institution | Osaka International University |
Principal Investigator |
井上 芳光 大阪国際大学, 人間科学部, 教授 (70144566)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上田 博之 大阪信愛女学院短期大学, その他部局等, 教授 (00203448)
石指 宏通 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (50260807)
近藤 徳彦 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 教授 (70215458)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 全身温冷感 / 温覚・冷覚閾値 / 皮膚温度感受性 / 汗腺機能 / アセチルコリン誘発性発汗 / 男性ホルモン服用者 / 縦断的検討 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,老若男女の発汗能力の解明とその生物学的意義を検討するために,以下の2実験を実施した.実験(1)では,発汗反応の求心性入力に関連する温度感受性の高齢者特性を検討した.すなわち,24℃の中立温域から35℃まで漸次上昇,その後中立温域まで漸次下降する温熱環境下に70歳代女性を全身暴露させ,その間の全身温冷感と皮膚温反応との関連性を検討した.さらに,被験者には自宅にいることを想定してもらい,実験中エアコンのオン,オフを申告させた.高齢女性の15名中10名がオン・オフを申告し,残りの5名は申告しなかった.エアコン使用の申告者と非申告者の平均皮膚温には有意な差は認められなかったが,全身温冷感では65~80分目で非申告者の方が有意に低い暑さ感覚を申告した.そのため,平均皮膚温-全身温冷感の回帰式の傾きは環境温上昇・下降時で非申告者が申告者より有意に小さい値が示され,非申告者における全身温冷感の感受性が鈍化していると示唆された.しかし,平均皮膚温-全身温冷感の傾きは身体8部位で測定した温覚・冷覚閾値の熱流束差や前腕・大腿で測定したアセチルコリン(Ach)誘発性発汗量と有意に関連しなかった.このことは,70歳代女性において,全身温冷感の鈍化度は特定の身体部位の皮膚温度感受性や汗腺機能から推定できないことを示唆している.実験(2)では,若年女性の男性ホルモン服用者のAch誘発性発汗を服用以前と服用開始2年後で比較検討した.その結果,Ach誘発性発汗量は,2年間の男性ホルモン服用後にSubj. No1では前腕で26%,大腿で8%増加したが,Subj. No.2では前腕で10%,大腿で17%低下した.今回の2例の縦断的データのみで性急な結論は避けるべきと思われるが,現状では男性ホルモンの服用が汗腺機能の改善に影響するとは断定できない.今後,更なる詳細な検討が待たれる.
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Remarks |
我々の見出した発汗に関する知見が米国のTime誌に紹介されるとともに(http://time.com/3947804/sweating-healthy/ 2015年7月8日),NHK総合テレビの「ニュースほっと関西」(2015年7月31日放送)や読売テレビの「カンサイ情報ネット ten」(2015年8月17日放送)の熱中症予防に関する内容でも放送された.
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Research Products
(14 results)