2011 Fiscal Year Annual Research Report
含窒素化合物変換酵素群の分子制御による有用物質合成
Project/Area Number |
23248015
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Research Institution | Toyama Prefectural University |
Principal Investigator |
浅野 泰久 富山県立大学, 工学部, 教授 (00222589)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
米田 英伸 富山県立大学, 工学部, 准教授 (50285160)
冨宿 賢一 富山県立大学, 工学部, 助教 (70392090)
鈴木 淳巨 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (40196788)
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Keywords | 光学分割 / 微生物酵素 / 植物酵素 / ラセマーゼ / 含窒素化学物 |
Research Abstract |
(1)α-アミノニトリルのダイナミックな光学分割:世界に先駆けてα-アミノニトリルを基質とするダイナミックな光学分割を可能にしつつある。非立体選択的にα-アミノニトリルを水和するニトリル・ヒドラターゼ、アミノ酸アミド加水分解酵素とα-アミノε-アミノカプロラクタム(ACL)ラセマーゼの3種類の酵素の共存により、ラセミ体α-アミノニトリルのダイナミック(動的)な光学分割を行い、光学活性アミノ酸を収率100%、光学純度100%で合成できた。 (2)カルボン酸からカルボン酸アミドへの変換:カルボン酸からカルボン酸アミドへと直接アミド化する反応を触媒すると酵素について研究するために、 (3)ACLラセマーゼの構造解析と合理的改変:ACLラセマーゼの立体構造を解明し、基質複合体のドッキングにより活性部位を探索した。その結果に基づき、活性中心近傍のアミノ酸残基に変異を与え、基質特異性の拡張を行う。例えばフェニルアラニンアミドへの反応速度が増加した変異型酵素を得ている。アミノ酸と基質のアミノ酸アミドを区別している残基を解明する。フェニルアラニンアミドに対して活性が向上した変異型酵素を得る。変異型酵素を用いて、光学活性アミノ酸を合成ている。 (4)ニトロアルドール(Henry)反応:各種のヒドロキシニトリルリアーゼ(HNL)を遺伝子組換え法により大量に調製し、アルデヒドなどのカルボニル化合物とニトロメタンなどのニトロ化合物を基質とするHenry反応(ニトロアルドール反応)によって、光学活性なβ-ニトロアルコールを合成した。 (5)可溶性HNLの発現メカニズムの解明 Manihot esculenta HNL遺伝子の大腸菌における発現の研究において、His103Leuの一点の変異や3箇所のLys残基をProに変異させると野生型酵素は封入体を作るが、変異型酵素はほぼ可溶性になる現象を見出している。可溶性な活性蛋白質の酵素化学的諸性質と発現メカニズムの解明、可溶性となる変異の一般性についての基礎的検討を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
9.研究実績の概要に記した通り(2)以外については、学会発表を行い、論文を投稿した。以下に記す論文については出版された。
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Strategy for Future Research Activity |
準備中、投稿中の論文については、データを追加するなどして受理に至るようにする。(2)のテーマについては、着手しているものの、さらに十分な基礎的検討が必要である。
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