2011 Fiscal Year Annual Research Report
熱帯地域の農業商業化の進行下における持続的農業生産システムの確立
Project/Area Number |
23248055
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
縄田 栄治 京都大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (30144348)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
間藤 徹 京都大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (50157393)
河野 泰之 京都大学, 東南アジア研究所, 教授 (80183804)
舟川 晋也 京都大学, 地球環境学堂, 教授 (20244577)
神崎 護 京都大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (70183291)
赤松 美紀 京都大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (70183134)
樋口 浩和 京都大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (50303871)
矢内 純太 京都府立大学, 生命環境科学研究科(系), 教授 (00273491)
柳澤 雅之 京都大学, 地域研究統合情報センター, 准教授 (80314269)
坂本 正弘 京都大学, (連合)農学研究科(研究院), 講師 (40303870)
山本 宗立 鹿児島大学, 国際島嶼教育研究センター, 准教授 (20528989)
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Keywords | 農業システム / 持続性 / 農業商業化 / 生態系機能 / 環境負荷 / 熱帯アジア / 熱帯アフリカ / 伝統的技術 |
Research Abstract |
本課題では、熱帯アジア・熱帯アフリカを対象に、1.地域による農業の商業化進行度の差異の分析と問題点抽出、2.農業生産システム持続性評価法の開発、3.新たな農業システムの提示とその評価、を中心に研究を進めるが、本年度は、主として1を中心に実施した。まず、設定した詳細調査地域で、現地調査を行った。アジア班は、東南アジア大陸部を中心に、農業に関する統計データ並びに気象データを収集した。既に、データベース化を終了している2005年以降のデータを収集した。今後、順次、データベースを進める。また、ラオス、ミャンマー、カメルーンでは、研究協力者が長期滞在して、主として、農業生産システムの現状の参与観察、過去のシステムに関する聞き取り調査を進めた。その結果、ラオスでは、焼畑の休閑期間の短縮、一部常畑化、商品作物導入の進行とともに、山地部斜面農業も大きく変容していることが明らかになった。ミャンマーのドライゾーンでは、変容の速度は緩やかであり、伝統的な農業システム・土地利用がある程度安定して見られることが明らかとなった。一方、アフリカ班のカメルーンでは、観測ステーションの設営により調査地域の気象データを実測し、作付体系や土地利用との関係の解析を進めている。来年度は、タイ・タンザニアでも同様の調査を進める予定である。2の小課題では、サトウキビの収量モデルに基づく、中部タイの土地生産力モデルを開発した。収量モデルは、圃場試験を行って、既存モデルを改良した。土地生産力モデルは、サトウキビの潜在収量と達成可能収量を推定するもので、気象、地形及び土壌特性資源データベースにより、広域(中部タイのサトウキビ生産地域全域)の生産力の推定が可能となった。今後、同様のモデルを主要な熱帯作物である、トウモロコシ、キャッサバ、イネについても開発する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本課題は、追加採択であったため、少し出遅れたが、既に独自に進めていた小課題も多く、スムーズに始めることができた。生産力モデル開発など、当初の計画以上に進展した小課題もある。ただ、アジア班ではベトナム、アフリカ班では、タンザニアでの現地調査が、相手側の事情で少し遅れているが、来年度の初めには、開始できる見込みである。以上、総合的に、おおむね順調に進展していると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
本課題は、3つの小課題、1.地域による農業の商業化進行度の差異の分析と問題点抽出、2.農業生産システム持続性評価法の開発、3.新たな農業システムの提示とその評価、を実施するが、来年度は、1及び2を中心に進める。1では、アフリカ班の統計データの収集を進め、さらにアジア班・アフリカ班とも現地調査も進める。2では、生産力モデルの開発を中心に進める。
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