2011 Fiscal Year Annual Research Report
ヌクレアーゼ抵抗性ヌクレオシドを搭載した細胞標的化機能性一本鎖核酸の創出
Project/Area Number |
23249008
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
松田 彰 北海道大学, 大学院・薬学研究院, 教授 (90157313)
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Keywords | 核酸創薬 / ヌクレアーゼ抵抗性 / 2'-OMe-4'-チオリポヌクレオシド / PSMA / アンチマイクロRNA / shRNA / ホスホロチオエート結合 / ホスホジエステル結合 |
Research Abstract |
1)shRNAは内在性RNAから生成し、細胞質でDicerによりループ部分が切断されsiRNAとして機能する。一般にshRNAを外部投与する場合は、ベクター型で投与し、shRNAそのものとして投与する例は極めて少なく、化学修飾研究もほとんど行われていない。そこで、ヌクレアーゼ抵抗性、血中滞留性、細胞・組織標的化能を付与すべく本研究を開始した。まず、標的としてルシフェラーゼ遺伝子を選択し、ループ部分の変換、とステム部分5'末端の短鎖化を検討した。ループ部分を6mer-9merのTを用いる場合と、エチレングリコール(PEG)ループにしたshRNAs(55mer、3'末端2mer overhang)を化学合成しルシフェラーゼ強制発現HeLa細胞を用いて活性を比べたところ、PEG化すると活性の減弱が激しかった。一方、Tループ体(9merが最適)での5'末端の短鎖化では3merまで短鎖化しても活性は減弱しなかった。現在、一本鎖部分を2'-OMe体とPS(ホスホロチオエート)化しDicerでの切断および、細胞標的化を検討している。2)micro RNA (miRNA)は、ヒトの約半数以上の遺伝子発現制御に関与している。もし、それの過剰発現が問題になる場合は対応するmiRNAに対するアンチセンス分子(AMO)による二本鎖形成が効果的である。そこで、肝臓で特異的に発現し、コレステロール等の生成に関与しているmiR-122に対する完全相補的な23mer AMOのヌクレオシド部分とリン酸ジエステル部分を化学修飾し、Huh-7細胞に投与しその活性を調べた。その結果、すべてをPS化した2'-OMe-4'-チオリボヌクレオシドを持つオリゴマーが最も強力な活性を示し、24時間後よりも72時間の方がより高活性であった。現在、細胞標的化および標的化リポソームを用いるin vivo実験を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ほぼ予定通り研究が進展し、現在のところ予定の変更はしていない。
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Strategy for Future Research Activity |
AMO-122を用いる研究が順調に進行し、来年度はin vivo実験結果を得る予定である。
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Research Products
(9 results)