2011 Fiscal Year Annual Research Report
ウイルスによるRNAファクトリーの形成誘導と自然免疫応答
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23249023
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
藤田 尚志 京都大学, ウイルス研究所, 教授 (10156870)
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Keywords | ストレス / 感染症 / 免疫学 / ウイルス / インターフェロン |
Research Abstract |
ウイルス感染細胞で形成される顆粒にはRIG-I,MDA5,LGP2、ストレス顆粒のマーカー蛋白質G3BP,TIAR,TIA1,HuR,eIF3,PABP、抗ウイルス蛋白質PKR,OAS,IRase Lが含まれていることが明らかとなった。このうちG3BPとRIG-Iは共沈降で共局在が生化学的に証明できたが、その他の構成物については共沈降が困難であることが判明した。今後化学架橋等の方法によって証明する計面である。 ウイルス感染とその他のストレスで顆粒の構成成分が異なるかについては網羅的な解析の系が未だ確立していないが、ウイルス感染の時にのみ凝集するマーカーを得たので、各種ウイルス感染で詳細な検討を行う計画である。 eGFP-G3BPを安定に発現した細胞株を得ることが出来たのでそれを用いて生細胞でのRNAファクトリーの消長の解析を開始した。感染後誘導され顆粒が蓄積する場合、顆粒形成が誘導されるがその後消失する場合、それが複数回繰り返される場合等があることが判明した。その分子基盤について解析を計画している。また細胞質に形成される別の顆粒(P-body)についそも蛍光蛋白質票指揮したマーカーを用いる系を立ち上げ、.解析を開始した。 G3BP,eIF3のノックダウンをウイルス感染細胞で行なうと顆粒形成、インターフェロン誘導が共に抑制され、両者が機能的に関連していることが明らかとなった。 以上の結果はウイルス感染によって形成誘導される顆粒は機能的にもウイルスRNAの感知に重要であることを示唆しており、今後さらに解析を進め、その全貌を明らかにする予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
幾つかの未知の事実が明らかになってきた。ウイルスRNAの感知はそれのみならず、ウイルスRNAの積極的分解、合成阻害につながることも示唆する結果が示されていることから本研究の重要さが明らかとなってきた。共沈澱などの技術的な課題もあるが、今後条件検討を加えることによって克服したい。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の解析の中心は顆粒形成の分子機構の解明、顆粒構成分子のノックダウンとその結果もたらされる生理的影響へ展開する計面である。また、共沈澱などの技術的な課題もあるが、今後、架橋剤の使用をはじめとする条件検討を加えることによって克服してゆきたい。
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Research Products
(19 results)