2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23249085
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山本 照子 東北大学, 歯学研究科(研究院), 教授 (00127250)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 悦子 東北大学, 歯学研究科(研究院), 大学院非常勤講師 (20509012)
竹下 信郎 東北大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (50431515)
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Project Period (FY) |
2011-11-18 – 2014-03-31
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Keywords | 再生医学 / iPS細胞 / 再生歯胚 |
Research Abstract |
歯の欠損の治療は、現在人工材料を用いた補綴処置が主である。しかしこれまでの動物、細胞を用いた活発な研究の成果により、歯の再生医療が現実味を帯びてきた。本研究課題では、①再生歯胚を作製するための成体内細胞シーズの探索、②歯胚形成誘導遺伝子を用いた歯の再生医療システムの構築に向けた探索研究、③再生歯胚・再生歯の移植システムの開発、④IGF-1をはじめとするサイトカインとメカニカルストレスによる形態制御技術の開発を推進し、歯の再生医療システム構築のための基盤技術開発を行う。 まず、歯の再生医療システムの構築に向けて、iPS細胞を用いた再生歯作製のための上皮および間葉細胞の誘導を行った。その結果、マウスiPS細胞をマウス歯胚細胞から採取した培養上清を用いて培養することにより、複数の歯性上皮あるいは間葉細胞マーカーを発現する歯性の細胞に誘導できることが明らかとなった。また、これらのiPS細胞由来歯性上皮あるいは間葉細胞と、胎生マウス歯胚の上皮および間葉細胞の遺伝子発現パターンを比較し、より天然の歯性細胞の特性に近づけるための歯胚形成遺伝子の絞り込みを行った。さらに、BMPやFGFなどのサイトカインが、iPS細胞から歯性上皮および間葉細胞への誘導におよぼす影響と、IGF-1による歯胚形態制御機構についても検討を行った。 以上の研究から、再生歯胚作製のためのiPS細胞由来歯性上皮および間葉細胞の誘導に関する基盤的な知見を得ることができ、今後より効率的なiPS細胞由来上皮および間葉細胞の誘導方法を確立するうえで大きな意義がある。今後は、iPS細胞から誘導した上皮およ び間葉細胞を3次元的に構築し器官培養と実験動物への移植実験を行うこと によって、再生歯胚の作製を目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた、1)歯の再生医療システムの構築に向けた探索研究における歯胚形成遺伝子の絞り込み、2)再生歯形成のためのiPS細胞由来上皮および間葉細胞の作製、および3)サイトカインによる再生歯胚形態制御技術の開発に関する研究を行い、歯性上皮あるいは間葉細胞マーカーを発現するiPS細胞の誘導が達成できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、iPS細胞から歯性上皮および間葉細胞誘導方法の確立とそれらを用いた再生歯胚の作製、およびiPS細胞由来再生歯胚の移植 システムの確立を目指して、以下の実験を行う。 1)歯胚形成遺伝子を用いた歯の再生医療システムの構築に向けた探索研究の達成を目指し、歯胚形成遺伝子をマウスiPS細胞に遺伝子 導入して作製した、歯胚形成遺伝子を有する上皮および間葉細胞を再構成させて再生歯胚を発生させる。発生させた再生歯胚から歯を 形成させてマイクロCT撮影し、3D-CT画像を3次元構築して定量的形態 計測を行うとともに組織学的に解析する。 2)メカニカルストレスおよびサイトカインによる再生歯胚形態制御技術の開発を目指し、単一化した歯胚間葉・上皮細胞をコラーゲン ゲル内に注入し再構成歯胚を作製して、IGF添加するとともに振動刺激を与えて培養して発生した形態制御再生歯胚を組織学的に解析 する。負荷するメカニカルストレスは、振動刺激以外に伸展刺激なども検討する。 3)再生歯胚・再生歯の移植システムの開発を目指し、iPS由来の細胞を用いた再生歯胚作製技術、歯形成遺伝子導入による再生歯作 製技術および形態制御再生歯胚作製技術を確立させた上で、H25年度には、それらの技術を用いて再生歯胚を作製する。作製した再 生 歯胚を成体マウスの臼歯を抜歯して自然治癒させた顎骨に移植して、再生歯胚の発生と萌出を解析する。マイクロCT解析および組織学 的解析を行い、移植システムの基盤的研究を推 進する。
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Research Products
(34 results)