2012 Fiscal Year Annual Research Report
看護学研究におけるバイオエンジニアリング・ナーシングの構想と展開
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23249088
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
真田 弘美 東京大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50143920)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 武俊 東京大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (20272586)
須釜 淳子 金沢大学, 保健学系, 教授 (00203307)
長瀬 敬 東京大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (00359613)
峰松 健夫 東京大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (00398752)
仲上 豪二朗 東京大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (70547827)
大江 真琴 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (60389939)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 看護工学 / トランスレーショナルリサーチ / 看工融合 |
Research Abstract |
本研究課題は、分子・遺伝子レベルの研究手法を看護学研究の領域に応用し、研究成果を技術・製品の開発など看護工学的方法論に沿って臨床現場に還元することを主眼とした“バイオエンジニアリング・ナーシング”という新規概念を提唱することを目的としている。平成24年度は3つのバイオエンジニアリング・ナーシング研究のコンセプト研究として、1)創傷感染モデルにおける宿主遺伝子発現の動態を本研究課題にて確立した浸出液RT-PCR法にて明らかにし、臨床での感染マーカーの候補を同定した、2)ニトロセルロースメンブレンの直接的貼付による創傷表面の蛋白局在の解析手法を用いて、創傷治癒との 関連を検討する臨床研究を行い、創傷組織中の蛋白発現とニトロセルロースメンブレン上で検出される蛋白の分布が酷似していることを明らかにし、本手法の基準関連妥当性を明らかにした、3)マットレス上に臥床する患者の苦痛を定量的に評価する一指標として、身体に加わるずれ力を計測し、ヘッドアップ時に生じる患者の苦痛とずれ力に有意な相関があることを見出し、新しいマットレス開発のコンセプトを提案した。 また、これらの研究成果を臨床へ応用するための臨床フィールドの開拓にも着手し、附属病院内に臨床研究をスムーズに行うための機構を設置した。さらに、バイオエンジニアリング・ナーシングの研究手法を他の看護学研究者に広めるために、教科書の編集者会議を行い、コンテンツを決定するとともに出版社の選定および執筆依頼を行った。次年度に向けて、バイオエンジニアリング・ナーシングの研究手法の講習会を行うための広報を関連研究グループ並びに関連セミナーなどで行い、候補者を選定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書に記載した具体的な研究テーマを実行し、一部研究課題についてはすでに臨床データを取り始めている。基礎研究から臨床研究への橋渡しがすでに始まっており、本研究の目指すところである研究の円環的進行が計画通りに実施できていることから、概ね順調に進展していると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題は、看護学における新しい研究フレームであるバイオエンジニアリング・ナーシングを提唱、確立することである。今後、上記研究課題については臨床研究を含め引き続き実行すると同時に、これらの研究課題をバイオエンジニアリング・ナーシング研究のモデルケースとして、新しい研究パラダイムを構築し、拡散させるべく諸学者にも理解しやすい教科書の執筆・出版およびそれに準拠した講習会の実施を行い、知識の普及に努める。さらに、より具体的にバイオエンジニアリング・ナーシングの研究事例を増加させるために、他研究機関の研究計画から実験立ち上げまでの支援を行い、新しい看護学研究の在り方を提唱するための基盤形成を行う予定である。
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Research Products
(26 results)