2011 Fiscal Year Annual Research Report
環太平洋地域における移住者コミュニティの動態の比較研究――近年の変遷に注目して
Project/Area Number |
23251023
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
栗田 和明 立教大学, 文学部, 教授 (10257157)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水上 徹男 立教大学, 社会学部, 教授 (70239226)
大橋 健一 立教大学, 観光学部, 教授 (70269281)
市川 誠 立教大学, 文学部, 准教授 (60308088)
杜 国慶 立教大学, 観光学部, 教授 (40350300)
ファーラー グラシア 早稲田大学, アジア太平洋研究科, 准教授 (70436062)
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Keywords | フィールドワーク / 比較研究 / グローバルな連携 / 歴史的変化 / 環太平洋地域 / 移民コミュニティ |
Research Abstract |
本プロジェクトは国外でのフィールドワークを実施し、実際の移民社会の様態をあきらかにし、さらにその成果を研究分担者が持ち寄って比較研究するものである。まず、フィールドワークは、栗田(中国)市川誠(フィリピン)市川哲(連携研究者、マレーシア・ラオス)杜(中国)水上(オーストラリア)ファーラー(中国)大橋(ベトナム、カナダ、米国)が分担する各地でそれぞれ実施した。初年度のフィールドワークとして、従来の人的なネットワークを再確認し、調査地としての適合性を確かめることを第一にすすめた。従来の研究の蓄積を生かして、比較的短期間にこの目的を達成した。 次に比較研究においては2回の研究会(1回はオープンワークショップとして、他の1回は公開講演会として開催)にメンバーが集い意見交換をおこなった。当初は平成23年度中に3回の開催を企図していたが、日程上対応できず、平成24年度の前半に3回目を実施予定である。 環太平洋地域の移民コミュニティ全体を鳥瞰する図の構築は後年に託したいが、それぞれのコミュニティで特徴的な要素は抽出されつつある。たとえばフィリピン社会での国家体制の中での出稼ぎの奨励が教育の場によく現れること。オーストラリア駐在の日本人がしだいに定住化への変化を見せていること。数十万人の規模を誇る広州のアフリカ人も、中国政府の出入国政策のまえにはきわめて脆弱なこと。旧社会主義諸国間でのコネクションの存在などである。また、本研究の表題には環太平洋地域を挙げているが、どの分担者の場合もヨーロッパ、アフリカなど他地域とのつながりを指摘しており、これらの整理も徐々にすすめていくべき課題であることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究では長期のフィールドワークを実施することが前提条件である。その時期は大学の夏季休業期間が最適である。しかし、本研究は2011年11月に追加採択されたもので、夏季休業期間を利用できなかった。分担者の工夫で11月以降の時期でフィールドワークを実施し、初年度としてはある程度の成果をもって終わることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
夏季休業期間前に比較研究の視点の整理のための研究会を実施する(通算3回目)。それを受けて、夏季休業中の長期のフィールドワークを実施する。平成24年度後半にはフィールドワークの成果を持ち寄る形での研究会を複数回実施する。
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Research Products
(7 results)