2013 Fiscal Year Annual Research Report
中国の地方政府における環境ガバナンスと環境紛争解決機能の向上に関する研究
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23252002
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Section | 海外学術 |
Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
北川 秀樹 龍谷大学, その他部局等, 教授 (60360252)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
植田 和弘 京都大学, 経済学研究科(研究院), 教授 (20144397)
櫻井 次郎 神戸市外国語大学, 外国語学部, 准教授 (40362222)
但見 亮 一橋大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 准教授 (20367121)
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Project Period (FY) |
2011-11-18 – 2015-03-31
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Keywords | 環境ガバナンス / 環境法 / 環境紛争解決機能 / 公益訴訟 / 公衆参加 |
Research Abstract |
4月に研究に関する全体の調整のため、研究分担者、研究協力者による研究会兼打ち合わせ会議を開催した。研究分担者・櫻井次郎准教授から「環境保護法廷と環境公益訴訟」に関する研究調査の報告があり、その成果と課題について意見交換し、情報共有した。終了後、駒澤大学教授・李研エン氏による報告「中国の市民社会と環境NGO」を開催し、環境保護民間団体に関する最近の動向について理解を深めた。また、7月14日に開催した研究分担者・植田和弘教授の研究会において、来日中の南京大学環境学院・王遠副教授から、公衆や企業の参画による江蘇省における新たな政策の試みと今後の展望について報告を受けた。 5月、7月に研究代表者らは北京に出向き、研究者、実務家等と環境法政策の最新の立法動向、法執行の課題等についてインタビューした。11月に研究代表者と研究分担者・櫻井次郎准教授らは、北京大学・汪勁教授とともに、無錫中級人民法院を訪問、中国の公益訴訟の現状について紹介を受け、訴訟事案の現場を視察した。さらに、1月に上海交通大学の王ギ教授を訪問し、環境保護法改正の動向についてインタビューを行った。 研究期間を通じて欧米における中国の環境法およびガバナンス研究者についての情報を収集し、関連文献の講読を継続してきたが、3月にカリフォルニア大学アーバイン校のBenjiamin van Rooij教授、同ロサンゼルス校のAlex Wang准教授を研究代表者と櫻井次郎准教授、研究協力者・知足章宏京大研究員らと訪問、本研究の内容を紹介し意見交換、26年度開催予定の国際ワークショップの内容について討議し、参加を要請した。 これらを通じ、第三国研究者の意見も加え、中国が抱える環境ガバナンス改善のための執政党、立法、司法、情報公開・公衆参加などの重要事項についての到達点と課題を概ね把握できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
北京、西安、上海を中心とした研究者、実務家へのインタビュー、現地調査等を通じて、概ね中国の環境法政策執行と環境ガバナンス改善のための課題を把握できた。但し、行政機関等の情報公開の制約のほか、日中関係を理由にインタビューを拒否される場合も多く、円滑な調査が困難な局面もあった。
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Strategy for Future Research Activity |
4月に中国の環境保護法が大幅に改正されたため、その背景、今後の執行にあたっての課題について訪中調査を行う予定である。また、26年度は最終年度に当たるため、中国の研究者、欧米の研究者を招へいし、中国の環境ガバナンスに関する国際ワークショップを開催する予定である。これらの成果について、図書として刊行することを目指す。
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Research Products
(16 results)