2012 Fiscal Year Annual Research Report
自動車産業におけるグローバル・サプライヤーシステムの変化と国際競争力に関する研究
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23252009
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Section | 海外学術 |
Research Institution | Kanto Gakuin University |
Principal Investigator |
清 ショウ一郎 関東学院大学, 経済学部, 教授 (80171312)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 洋一郎 中央大学, 経済学部, 教授 (00164145)
野村 俊郎 鹿児島県立短期大学, その他部局等, 教授 (00218364)
遠山 恭司 東京都立産業技術高等専門学校, その他部局等, 准教授 (20270233)
青木 克生 明治大学, 経営学部, 准教授 (20318893)
林 松国 立命館大学, 経営学部, 助教 (20584345)
田村 豊 愛知東邦大学, 経営学部, 教授 (40340400)
中山 健一郎 札幌大学, 経営学部, 教授 (50285227)
小林 英夫 早稲田大学, アジア太平洋研究科, 教授 (80052546)
山崎 修嗣 広島大学, 総合科学研究科, 准教授 (80239938)
黒瀬 直宏 嘉悦大学, 公私立大学の部局等, 教授 (90288572)
富野 貴弘 明治大学, 商学部, 教授 (90366899)
西岡 正 兵庫県立大学, その他の研究科, 准教授 (90369116)
伊藤 誠悟 関東学院大学, 経済学部, 講師 (80612275)
兼村 智也 松本大学, 公私立大学の部局等, 教授 (70367548)
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Project Period (FY) |
2011-11-18 – 2016-03-31
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Keywords | サプライヤーシステム / グローバル化 / 新興国の産業基盤 / 国内産業の空洞化 |
Research Abstract |
2012年度はグローバルサプライヤーシステム変化の動向を把握する上での前提となる、日本国内2次・3次下請企業に対するアンケート調査を実施し、その集計分析報告書を取りまとめた。アンケート調査票の発送先7000社に対して回収企業数は950社弱、回収率12%程度で、まずまずの結果であった。この結果は2013年度におけるより詳細な分析および個別インタビュー調査、地域別調査、および自動車部品メーカー調査によって補完され、最終的に総合的な分析に進むことになる。海外調査については、中国(黒瀬、林、兼村)、ドイツ・フランスなどの欧州地域(田村、小林)、北米(北原、遠山)のほか、近年急激に注目されつつあるインドネシア(清、田村、中川、西岡、伊藤、遠山)、ブラジルなどにも関心を広げてきた。これらの中で、欧州地域については、欧州企業のインド・中国進出実態調査を進めるため、チューリッヒのETH研究所、マインツのIMO研究所などとの連携を強めており、既にETH研究とは共同研究について意見交換を開始した。またイギリス自動車工業会との調査票の交換など、研究の基盤を広げることができた。共同研究会については、東大ものづくり経営研究センター、早稲田日本自動車部品産業研究所とともに自動車サプライヤーシステム研究会を組織し、2ヶ月に1回程度の研究会を実施、海外をも含む多くの研究者を迎えて研究会を開催した。この成果は2013年度における国際会議開催の準備作業にもなった。プロジェクト参加者の研究業績は別紙のとおりであるが、この中で「深層現調化」と呼ばれる新しい傾向を捕捉し、日本中小企業学会全国大会での基調報告を行い、論集にも掲載された。この「深層現調化」は、今後のグローバルサプライヤーネットワーク形成を分析する際のキイワードであり、本プロジェクトの3年目以降の研究を進める上での基礎的な視点を提供するものとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本プロジェクトの採択が、2011年11月中旬であったため、2013年度は形式的には第3年度にあたる。この点から見るとやや遅れているともいえるが、実質的には1年半に満たない期間であり、この間の海外渡航調査及び国内アンケート調査の実施状況を見ると、十分な成果を達成しているものと考えている。 国内アンケート調査については、7000社対象アンケートの集計分析が終わり、現在さらに詳細な分析に取り掛かっており、また一部でインタビュー調査を先行して実施しており、今年度の成果が期待される。 海外調査については、各地域ごとにメンバーによる精力的な調査が進んでおり、地域的にも近年注目されている新興諸国を中心に、必要な地域はほとんど網羅して研究が進んでいる。 各研究者の論文など、アウトプットの状況は順調であり、着実に論文として成果が上がっている。またこれらをベースとして、単行本の出版も視野に入る状況にある。 国際会議については、初年度に実施したが、第二年度はアンケート調査で予算に余裕がなく見送ったが、今後の国際共同研究の準備は進んでおり、順調である。
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Strategy for Future Research Activity |
国内アンケート調査の解析については、今年度は集計結果のより詳細な分析を行いその結果を公表する。また調査対象企業に対するインタビュー調査を全国で実施し、地域別分析を進める。また前回の7000社アンケート対象に含まれなかった自動車関連一次サプライヤーについて、2013年9-10月にアンケート調査を実施し、上記調査と併せて総合的な分析を行い、論文の執筆と単行本の刊行を具体化する。 海外調査については、アセアン・アジアのハブとなるタイの調査を中心に、欧米アジアとブラジルを含め、各地域の調査を継続する。特に欧米研究者との連携を具体化し、ドイツ企業を中心とする欧米企業の新興国進出の実態調査を開始し、日本企業の行動との比較研究を開始する。 以上の研究の進展を踏まえて、今年度末には欧米研究者を招聘して国際会議を開催する予定である。以上、本プロジェクトは第3年度としてほぼ順調な進行状況を実現できると考えている。
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Research Products
(12 results)