2013 Fiscal Year Annual Research Report
自動車産業におけるグローバル・サプライヤーシステムの変化と国際競争力に関する研究
Project/Area Number |
23252009
|
Section | 海外学術 |
Research Institution | Kanto Gakuin University |
Principal Investigator |
清 ショウ一郎 関東学院大学, 経済学部, 教授 (80171312)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 洋一郎 中央大学, 経済学部, 教授 (00164145)
野村 俊郎 鹿児島県立短期大学, その他部局等, 教授 (00218364)
遠山 恭司 東京都立産業技術高等専門学校, その他部局等, 准教授 (20270233)
青木 克生 明治大学, 経営学部, 准教授 (20318893)
林 松国 小樽商科大学, 商学部, 准教授 (20584345)
田村 豊 愛知東邦大学, 経営学部, 教授 (40340400)
中山 健一郎 札幌大学, 公私立大学の部局等, 教授 (50285227)
兼村 智也 松本大学, 公私立大学の部局等, 教授 (70367548)
小林 英夫 早稲田大学, アジア太平洋研究科, 教授 (80052546)
山崎 修嗣 広島大学, 総合科学研究科, 准教授 (80239938)
伊藤 誠悟 関東学院大学, 経済学部, 講師 (80612275)
黒瀬 直宏 嘉悦大学, 公私立大学の部局等, 教授 (90288572)
富野 貴弘 明治大学, 商学部, 教授 (90366899)
西岡 正 兵庫県立大学, その他の研究科, 教授 (90369116)
|
Project Period (FY) |
2011-11-18 – 2016-03-31
|
Keywords | 自動車・同部品産業 / 資材・部品調達 / 系列・下請け関係 / 海外現地生産と空洞化 / 生産・開発の現地化 / 中小企業の海外進出 / 日本的生産方式の意義 / 新興国の経済成長 |
Research Abstract |
2013年度は2次・3次サプライヤー調査結果の集計分析を行い、回答企業に対するレポートを発送すると同時に,研究会などで集計結果に関する分析を行った。その特徴点は全般的に受注減・単価引き下げの中、殆どの企業は経営内容を悪化させているが、約4分の1の企業が受注増・売り上げ増・利益率5%以上と回答しており、しかもそれはどの規模階層、業種にも共通した特徴である。これは本調査に独特な結果であり、今後、日本製造業の構造変化を考える場合の重要な論点を提示することになった。13年度はこのアンケート調査に関連する2次・3次サプライヤー調査の他、年度末になって1次サプライヤー調査を実施した。また海外調査についてはタイ、ベトナムなどの他、中国・インド・ブラジルなどを視野においた調査を行った。特にインドネシアに続いて実施したタイ調査では部品サプライヤーの深層現地化は、単なる部品調達だけではなく、現地人エンジニアにサプライヤーの生産技術指導をさせるなどの日本型サプライヤー指導の現地化まで進んでいるケースを発見出来た。またこれらの新興国では賃金上昇が開始され、これに伴って自動化・省力化の推進が現実の課題になっている実情も把握した。その上で現地サプライヤーの評価を見ると、30-40年の経験を経ても現地サプライヤーが育たない現実があり、日系2次・3次の進出が課題になっていることが明確になりつつある。これらの内容について、中小企業を含めた業界及び中小企業基盤整備機構、地方自治体、さらに研究者をも含めた国際会議を開催し、現状と直面する課題、海外生産の可能性に関する報告を実施した。また年間を通じて2ヶ月に1回のプロジェクト会議及び全国大学の研究者に呼びかけた自動車サプライヤー研究会を開催し、多面的な研究の継続を図った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初8ヶ月遅れの中で出発したプロジェクトであるが、海外調査を中心に、補足的な国内2次・3次サプライヤー調査を完了、2013年度には1次サプライヤーのアンケート調査を実施した。これらの調査の結果を踏まえながら継続的な研究会と年1回の国際会議を実施し、それなりの研究成果をあげてきた。若干遅れているのは、昨年度、2月に実施した1次サプライヤーアンケート調査の回答企業数が少なかったため、今年度の前半で追加的な調査を実施する必要が生じた点にある。しかし海外渡航調査は順調に進んでおり、第4年度の成果として、今までの研究成果を取りまとめ、追加調査と合わせて今年度中にとりまとめを行う見通しが確保されている。なお、全国大学を組織した自動車サプライヤー研究会も順調に運営されており、国際会議や研究の国際協力と合わせて,一定の展望を切り開いていける見通しである。
|
Strategy for Future Research Activity |
2014年度は昨年度実施した1次サプライヤー調査の補足調査を実施し、日本自動車・同部品工業の構造変化をできる限り掘り下げて検討したい。またこれと並行して、世界の主要な自動車生産国の企業データを活用して各国自動車・同部品産業の構造変化の比較検討を試みるなど、近年の自動車生産を巡る急速な構造変化の内容を明らかにして研究成果の取りまとめに役立たせたい。海外渡航調査については、今年度は近年注目されているメキシコ、およびトルコをはじめ、中国、インド、タイ、インドネシア、ブラジルなどの国々を対象として実施する。全国大学の研究者と連携する自動車サプライヤー研究会は2ヶ月に1度定期的に開催し、並行してプロジェクト会議を開催する。また2014年度末には欧米研究者をも含めた国際会議を開催し、先進国企業の新興国進出の比較検討を行いたい。2014年度末には研究成果を公表するための単行本の刊行について具体化を図りたい。
|
Research Products
(24 results)