2012 Fiscal Year Annual Research Report
学術用超高速インターネットを利用した遠隔医療ネットワークの世界展開
Project/Area Number |
23256005
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Section | 海外学術 |
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
清水 周次 九州大学, 大学病院, 准教授 (70274454)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 雅夫 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30163570)
浅野 光一 九州大学, 大学病院, 助教 (40593893)
中島 直樹 九州大学, 大学病院, 准教授 (60325529)
岡村 耕二 九州大学, 学内共同利用施設等, 教授 (70252830)
永井 英司 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (30264021)
安徳 恭彰 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20529797)
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Project Period (FY) |
2011-11-18 – 2016-03-31
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Keywords | 遠隔医療 / 遠隔教育 / 情報通信 / 学術ネットワーク / 国際協力 |
Research Abstract |
1.世界各国における高速医療ネットワークの進展と臨床応用の拡大:本年度は、韓国、中国、タイ、シンガポール、インド、スリランカ、ネパール、モンゴル、フィジーなどのアジア太平洋地域に加え、アメリカ、メキシコ、ブラジル、ドイツ、トルコなど世界各地に新たにシステムを構築し、遠隔教育プログラムへの参加を得た。また日本国内にも国立がんセンターを初め、順天堂大学病院、近畿大学病院など新たな接続先が加わり、今後海外との接続において日本からの情報発信の拠点となることが期待される。特にメキシコに関しては、超高速学術回線が全国主要医療機関へ接続されることが決定され、今後の発展が大いに期待される。 2.医療コンテンツの充実と国際的医療交流の推進:12月には活動10周年を記念して第6回アジア遠隔医療シンポジウムを開催し、18か国から121名の出席者を得た。また1月にアメリカInternet2との合同で開催された第35回アジア先端ネットワーク(APAN)会議では、ブラジル、チリ、メキシコなどの中南米を接続した消化器内視鏡のセッションや、スタンフォード大学と大阪大学を接続した心臓カテーテルのライブデモンストレーションを施行した。さらにアジア諸国のみならず、フィジー、ブラジルなど9つの国や地域から計24名の若手医師・研究者を招聘して日本の進んだ医療を研修すると共に、今後の遠隔教育を開始するためのプログラムや技術的な準備について協議した。 3.ハイビジョン動画像の配信および継続的なシステムの改良:8月のスリランカで開催されたAPAN会議においてハイビジョン映像配信を用いた新しい遠隔医療技術を使用したテレカンファレンスを施行した。その後、高速回線の利用できない施設においても使用を拡大し、モバイル機器においてもその応用を試みた。また1月のAPAN会議ではDVTSによる14地点を接続し、新たな技術の導入にも成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
2年間の活動においてアジアは元より欧米など世界各地の新たな施設において、システムの構築を達成した。特にこれまで高解像度の遠隔医療システムが確立していなかった南アフリカや中南米の拠点施設との接続が確立され、中央アジア諸国とも協議を開始した。またハイビジョンの導入にも既に成功し、これまで使用していたdigital video transport sysmtem (DVTS)においても従来の7地点接続から14地点接続へと接続地点数を倍増させ継続的な技術改良も進んでいる。人的交流においても毎年数多くの受け入れと派遣を実施しており、これらの施設とのプログラムやシステム構築に向けた話し合いを進行中である。これらの活動はNature Spotlightや産経新聞の正月特版でも取り上げられ、国内外での注目を集めている。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの活動をさらに推進し、その範囲を拡大させる。国内では国立大学病院長会議将来像実現化ワーキンググループとの連携が決まり、海外への発信及び交流を発展させる新たな原動力となる予定である。5月には早速名古屋大学への訪問・協議、さらに7月には東北大学への訪問が決定しており、歯科部門プロジェクトチームとの連携も計画されている。また日本胎児遠隔医療研究会との協力体制が確立し、9月のセミナー開催や2月の学会でのネットワークを使った企画などについて協議中である。10月には高松で開催される世界遠隔医療学会においてこれまでの成果を発表すると共に、世界中の学会などと連携して活動をさらに展開する機会とする。また8月の韓国、1月のインドネシアにおけるAPAN会議でも様々なセッションを企画し、技術とプログラムの両面においてさらに活動を発展させる。12月にバンコクで予定されている第7回アジア遠隔医療シンポジウムでは、今年の総括と来年の計画を話し合う予定である。
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Research Products
(19 results)